ホンダF1田辺TDレース後会見:中盤までトップを走行しながらも為す術なく2位「速さも戦略も改善の必要がある」
2021年5月10日
スタート直後に首位を奪取しながら、マックス・フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは今回も勝つことができなかった。2021年F1第4戦スペインGPの戦いぶりについてホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは、「ルイス・ハミルトンとメルセデスの総力を上げた戦闘力と戦略が、レッドブル・ホンダを上回っていた」と総括した。
その口調はいつもどおり穏やかなものだったが、「為す術なく抜かれて2位という結果でした」というコメントには無念さが滲み出ていた。序盤4戦を終えて1勝3敗。タイトルへの道のりが予想以上に険しいことを思い知らされた1戦だったのかもしれない。
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──マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は前戦に続く2位表彰台でした。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):スタート直後に(ルイス)ハミルトンをかわし、序盤から中盤までトップを走り続けました。しかし、2ストップ戦略に出たハミルトンから激しい追い上げを受け、最後の最後に為す術なく抜かれて2位という結果でした。優勝争いに関してはハミルトンとメルセデスの総力を上げた戦闘力と戦略が、レッドブル・ホンダを上回っていたのだと思います。
──セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)のサポートも期待できませんでした。
田辺TD:8番手からのスタートではオーバーテイクが難しく、トップ集団から遅れてしまいました。最後は5位まで追い上げたものの、やはり予選結果が響きましたね。
──アルファタウリの2台に関してはいかがでしょう。
田辺TD:(ピエール)ガスリーはスターティンググリッドの白線オーバーで5秒ペナルティを受けたのですが、レースペースはかなり良くて、なんとか10位まで盛り返してくれました。アルファタウリの予選は2台とも厳しい状況だったのですが、ガスリーはレースではベストを尽くしてくれたと思います。シーズンはまだ長い戦いですから、チームにとっては貴重な1ポイントだったと思います。
──角田裕毅選手は序盤リタイアに終わりました。
田辺TD:燃圧低下のトラブルが発生しました。原因はこれから調べて、ほかのクルマへの対応が必要ならそちらも対処していきます。
──トラブルは突然起きたのでしょうか? あるいはデータで異常が出て、ピットから止めろという指示がでたのでしょうか?
田辺TD:突然です。エンジンに燃料がいかず、止まってしまいました。
──レース後の角田選手は「リヤが突然ロックした。ギヤボックスに問題があったのかも」とコメントしていました。燃圧低下によって、ギヤがスタックしたということでしょうか。
田辺TD:はい。エンジンが止まることで、そうなります。
■速さと戦略を改善しないとメルセデスには勝てない
──レッドブル・ホンダはメルセデスに対し開幕4戦で1勝3敗。今回の敗戦を、田辺TDはどう受け止めていますか。
田辺TD:速さも戦略も改善の必要がある。そこを上げていかないとメルセデスには勝てない。そういう認識です。
──総合力が問われるバルセロナ・サーキットで、自分たちの強み弱みを把握したとレース前に言っていましたが、そこは見えましたか。
田辺TD:そうですね。いろいろと理解は進みました。ここはやはりベンチマークといっていいサーキットですので、貴重なデータが得られたと思います。
──これまでの3戦で見えたことと比較して、意外に感じた部分はありましたか。
田辺TD:それはないですね。
──予選はレッドブル・ホンダが速いのに対して、決勝はメルセデスという傾向が見えると思います。結局はタイヤの使い方の優劣ということなのでしょうが、パワーユニット側でそこに影響を及ぼしている部分はありますか。
田辺TD:昨年から予選とレースで同一モードが適用されるようになり、予選とレースでのメリハリはつけられなくなりました。そのこともあり、パワーユニットの影響はそれほど大きくはありません。
──今後、パワーユニットがパフォーマンスの向上にさらに貢献できるとしたら、回生エネルギーの使い方や、予選と決勝のモード選択というところに限られるのでしょうか。あるいはほかに手立てがあるのでしょうか?
田辺TD:頑張って、パワーユニットとして速くできる努力を重ねていきます。ただ以前のように、『最後はパワーユニット側でひねり出してよ』とはできなくなったのは事実です。
──次戦のモナコはかなり傾向の違うコースです。ホンダエンジンとしては1992年以来勝利していませんが、勝算はありますか?
田辺TD:典型的な低速サーキットということで、パワーユニットの使い方はかなり変わってきます。今年はこれまで以上に『今度は勝つぞ』という気持ちで臨んでいますが、実際に走ってみないとわからない部分は多々あります。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 362 |
2位 | ランド・ノリス | 315 |
3位 | シャルル・ルクレール | 291 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 251 |
5位 | カルロス・サインツ | 240 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 189 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 177 |
8位 | セルジオ・ペレス | 150 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 31 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 566 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 537 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 512 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 366 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
7位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 36 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 14 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |