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松田次生のF1目線:開幕2戦が終了。角田選手は走り込んだサーキットで結果を出すことが大事

2021年4月24日

 フォーミュラ・ニッポンの元チャンピオンで、現在はスーパーGTでニスモのワークス車両でGT500を戦い、スーパーフォーミュラではチーム監督としてKCMGを率いる松田次生がF1について語る連載企画。今回は2021年第1戦バーレーンGP、第2戦エミリア・ロマーニャGPを振り返ります。

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 開幕して2戦が終わり、メルセデスの今までのアドバンテージがなくなったように見えますね。レーキ角が多めになり、クルマの合わせ込みの途中なのかなとも思います。その中でも戦略を駆使して結果を残してくるメルセデスはさすがだなあと感じました。

 でもイモラではハミルトンは、「あ、そこ行っちゃダメ!」と思ったところを走ってコースアウト。彼も人間なんだなと思うと同時に、やっと彼を追い詰める状況になったんだなあと感じました。もしかすると、今年はフェルスタッペンとの歴史に残る戦いになるかもしれませんね。

 コンストラクターの争いでは、ペレスとボッタスがキーポイントになると思います。まだ苦戦中のふたりですが、チームはどうバックアップするのか。

 ペレスに関しては、開幕戦でスタート時にトラブルが発生しましたが、すぐ落ち着いてリスタートしました。再始動できるところはさすがベテランだと思いました。

 また、イモラの予選ではフェルスタッペンを上回りました。今までリカルドを除き、レッドブルのマシンで、予選でまともにフェルスタッペンより速く走った人はいなかったのではないでしょうか。ペレスは対応能力の高いドライバーで、ボッタスより改善してくるのではないかと思っています。

 ボッタスと言えば、イモラでのラッセルとの接触ですよね。あれは、お互い悪いかなあ。ボッタスは寄せてはいるけど、すごくではない。ラッセルはそれに対してオーバーアクションしてしまった。それで濡れた路面に乗ってしまった。

 僕は、あれはDRSの怖さもあると思います。DRSが作動していると、リヤはものすごく軽くなりますから。DRSは面白いけど、考えものですね。個人的には、もう少し乾いてからDRSを解禁するとかした方がいいと思います。

 他に目立ったところでは、ノリスがいいですね! 移籍してきたリカルドはまだ順応していないように見えますが、その彼に対して「先に行かせろ」と主張。リカルドもまだ乗れていないという自覚があるのでしょう。だから譲ったんだと思います。

 ノリスはフェルスタッペンに近い実力を感じます。今後は引く手あまたではないかなと思います。

 マクラーレンは、今年はかなりいいクルマに仕上げてきましたね。フェラーリも復調しつつあるような雰囲気です。そして、アルファタウリもいい。きっとホンダエンジンもいいのでしょう。

 ガスリーはインターミディエイトでスタートしていれば、フェラーリを食っていた可能性もあります。

 一方、角田君はまだちゃんと走り込めていない感じがします。開幕戦のQ1は良かったですが、Q2はタイム出し切れなかったし。

 イモラの予選は、これは難しい判断ですが、クラッシュする直前、曲がろうとせずに直進してしまえばよかったかもしれませんね。

 角田君は、今後はFIA-F2でたくさん走り込んでいるサーキットで結果を出すことが大事だと思います。あせらず急がず、周囲の雑音は聞かずに、自分の走りに集中することです。僕は、角田君はガスリーとはほぼ互角のポテンシャルはあると思います。

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