F速

  • 会員登録
  • ログイン

【F1分析】レッドブル・ホンダはいかにしてメルセデスに追いついたのか(1)風洞データの問題解決とリヤサス改良

2021年4月15日

 開幕戦では惜しくも敗れたものの、2021年のレッドブル・ホンダがメルセデス以上の戦闘力を有していることは間違いない。F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、その成功要因を4つに分けて分析した(全2回)。


────────────────────────────────

1)風洞データとの相関関係を改善し、空力的不安定さを解消

 2020年のRB16は開幕当初からマシンリヤの挙動不安定さが顕著で、マックス・フェルスタッペンでさえ突然スピンを喫するほどだった。この年のレッドブル開発陣は、メルセデスが2017年から投入していた細身のノーズと複雑な形状のフロアスカートを採用。前方からの空気をより多く取り入れ、それを効率よくフロア下を通し、ディフューザーへと流すことで、いっそうのダウンフォース増大を狙ったのだった。


 ところがサーキットでの実走では、リヤのグリップが唐突に抜けてしまう事態に見舞われた。主な原因は「シミュレーションで出た数値と、風洞で計測されたデータとの相関関係が間違っていたことだ」と、クリスチャン・ホーナー代表は語っている。


 今季はその誤りを完全に修正できたということなのだろう。開幕直前のバーレーンテストから群を抜く速さを発揮し、初戦は惜しくも敗れたとはいえ、メルセデスをしのぐ戦闘力があることを証明した。


 今季の車体変更には限られたトークンを使用する方式が採用されたが、レッドブルは弱点だったマシン後部の改良に集中、それが見事に功を奏したのだった。

2)リヤサスペンション変更でメカニカルグリップが改善

 レッドブルの車体というと、空力的な部分に目が行きがちだ。しかし「空力とメカニカルグリップ、その両方が協調しながら機能することが、何よりも重要だ。去年のRB16は、そこにも問題があった」と、ホーナー代表は述懐している。


 去年型の改良版であるRB16Bは、リヤサスペンションに大幅な変更を施された。基本的には昨年10月のアイフェルGPで投入された新仕様のリヤサスをさらに発展させたものだ。


 アッパーアームのリヤタイヤ側取り付け位置をさらに高くし、ロワーアームやプルロッドなどサスペンション下部の構成パーツを並行に揃えることで、気流がより整い、より多く流れるようになった。昨年のRB16やメルセデスのW11、W12と写真比較すると、その違いは一目瞭然だ。かなりコンパクトになったホンダの新世代パワーユニット(PU/エンジン)も、これらの空力性能向上に大きく貢献している。

レッドブル(2020年、2021年)、メルセデス(2020年、2021年)のサスペンション比較
レッドブル(2020年、2021年)、メルセデス(2020年、2021年)のサスペンション比較

 それでも実際にサーキットを走行すると、路面の凹凸や縁石に乗り上げた際の挙動変化、あるいは開幕戦で顕著だった突然の風向きの変化などで、マシンバランスは簡単に乱されがちだ。しかしRB16Bの改良版リヤサスは、どんな状況でもしなやかに路面を捉え続ける性能を獲得したようだ。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫 / autosport web)


レース

8/29(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
8/30(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
8/31(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ284
2位ランド・ノリス275
3位マックス・フェルスタッペン187
4位ジョージ・ラッセル172
5位シャルル・ルクレール151
6位ルイス・ハミルトン109
7位アンドレア・キミ・アントネッリ64
8位アレクサンダー・アルボン54
9位ニコ・ヒュルケンベルグ37
10位エステバン・オコン27

チームランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム559
2位スクーデリア・フェラーリHP260
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム236
4位オラクル・レッドブル・レーシング194
5位ウイリアムズ・レーシング70
6位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム52
7位ステークF1チーム・キック・ザウバー51
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム45
9位マネーグラム・ハースF1チーム35
10位BWTアルピーヌF1チーム20

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第15戦オランダGP 8/31
第16戦イタリアGP 9/7
第17戦アゼルバイジャンGP 9/21
第18戦シンガポールGP 10/5
第19戦アメリカGP 10/19
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年10月号 Vol.4 後半戦展望号