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ホンダF1田辺TDレース後会見:「改善の余地はあるが、これが限界だったのでは」現行パッケージの弱点に苦しんだレース

2020年11月16日

 惜しくもポールポジションを逃した予選以上に、第14戦トルコGPのレースは残念な結果に終わってしまった。4台完走を果たしたもののレッドブルは6、7位、アルファタウリは12、13位でノーポイントだった。パワーユニット(PU)側に顕著な問題は出なかったとはいえ、当然ホンダにとっても満足のいく結果ではない。


 何がうまくいかなかったのか。「弱点をきっちり見直して、今後に備えて行く」と語る田辺豊治テクニカルディレクターは同時に、このレース結果が今回の状況でのパッケージとしての限界だったことも示唆していた。


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──週末の総括からお願いします。


田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):非常に滑りやすい路面が続いて、いろんなことが起きた週末でした。さらに予選、レースはウェット路面が最後まで続いた。そんな状況でもレッドブルのペースは悪くなかったのですが、思うようなレース展開ができずに6、7位に終わりました。


 何がうまくいかなかったのか、レース後ミーティングでもいろいろ話が出ました。弱点をきっちり見直して、今後に備えていこうと思います。


──アルファタウリは2台完走しながら、ノーポイントでした。


田辺TD:スタートで順位を上げたのですが、今日の路面状況ではラインを外すとまったくグリップがなくなる。そのためそれ以上の順位を上げられなかったですね。

2020年F1第14戦トルコGP ダニール・クビアトとピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP ダニール・クビアトとピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


──今回のレースで見えた弱点のひとつに、滑りやすい路面でのスタートがあったのですか?


田辺TD:そうですね。明らかに、課題ですね。2台ともに出遅れましたから。車体だけでなく、パワーユニットも含めたいろんな制御が絡み合ったなかでの問題でした。


──予選はインターミディエイトに苦労したわけですが、レースは結果的にインターで一番長く走る展開となりました。それも苦戦の一因でしょうか。


田辺TD:そこは、チームに訊いてください。ただ予選は短いランで、レースはロングスティントだった。その違いはあります。それからレースに関していうと、よほど大きなタイム差がない限り、走行ラインを外して抜くのはリスクが大きすぎる。その点でも予選とレースは、状況が違いましたね。


──パフォーマンスを100%発揮できなかったレースだったと思いますが、フェルスタッペンも随分フラストレーションがたまっている感じでした。レース後のレッドブルの雰囲気は、どのようなものでした?


田辺TD:そんなにフラストレーションがたまっている感じではなかったですね。マックス自身、いろいろやらかしていましたしね。本人のドライビングも含めて、これが今日の限界だったねという感じでした。

2020年F1第14戦トルコGP スピンを喫するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP スピンを喫するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


──パッケージとして、出し切れたと?


田辺TD:パッケージとしての力が、ここだったという捉え方ですね。大きな失敗をしてこけたというより、たくさんある弱点が出た。そういうところです。


──あのコンディションで、インターでは、ああいう結果になってしまうということですか。


田辺TD:そうですね。改善の余地はもちろんありますが、これが限界だったんじゃないかなと思います。


──ピエール・ガスリーのグリッド降格ペナルティについて、説明していただけますか。


田辺TD:はい。ガスリーの予選結果が悪かったことがひとつ。それとポルトガルでESトラブルが出て、バッテリーをひとつ失いました。今回を含め今後の4戦で、何かあったら(3基目のES交換で)ペナルティを受ける状況になる。だったらここでパワーユニット(PU)を交換して、終盤に備えようとチームと話し合って決めました。


 FIAに申請して承認が出たので、パーツを外し始めました。その後、他車のペナルティで、グリッドが上がることがわかりました。では(交換を)やめようということになったのですが、パルクフェルメ上で手をつけてしまったので、ペナルティを受けた。その時点ではPU交換はタイミング的に手遅れで、クルマを復元してレースに臨みました。


──そうすると残り3戦は、このままの状態でいくのか。あるいはパワーユニット全交換の可能性もありますか?


田辺TD:そういうことではないです。あくまで将来に備えての意味だったので、いい位置にいるのにペナルティを受けてまで交換せざるを得ない状況を避けたかった。このままでは走り切れない、というものではありません。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第14戦トルコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


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