最新記事
- ティム・メイヤーがFIA会長選挙への出馬を正...
- フェラーリのハミルトンがFP1最速「アップグ...
- FP1初走行のアーロン「F1で走った距離は貴重...
- 「前戦からやりたいことを優先してもらってい...
- 初日トップは母国グランプリのノリス。フェラ...
- 【タイム結果】2025年F1第12戦イギリスGPフリ...
- ホームレースのハミルトンが首位発進、ノリス...
- 【タイム結果】2025年F1第12戦イギリスGPフリ...
- キャデラックのF1新規参入を記録するドキュメ...
- ハミルトン、母国イギリスGPを前に、フェラー...
- 元FIAレースディレクターのスティーブ・ニー...
- FIA会長選にティム・メイヤーが立候補へ。元F...
F1 Topic:紆余曲折の末に発給された山本尚貴のスーパーライセンス。足りないポイントを補ったFIAの措置
2019年10月24日
2019年のF1第17戦日本GPでは、山本尚貴がトロロッソ・ホンダのマシンに乗って、金曜日のフリー走行1回目を走った。日本GPで日本人ドライバーが鈴鹿でF1マシンを走らせたのは、2014年の小林可夢偉(ケータハム)以来、5年ぶりのことだった。
しかし、山本尚貴の日本GP出走は、直前まで不透明なままだった。理由は、複雑なスーパーライセンス(SL)制度にある。
F1をグランプリ期間中に運転するにはSLが必要となるが、現役のF1ドライバーまたは過去3年間F1に参戦したことがあるドライバー以外の者が、グランプリ期間中にF1マシンを運転するには、定められた規定以上のSLポイントを獲得しなければ、SLは発給されない。
SLポイントはFIAが定めたF1以外のさまざまなカテゴリーを対象に設けられており、SLを取得するには過去3年間で40点以上獲得する必要がある。18年にスーパーフォーミュラ(1位/20点)、スーパーGT(1位/15点)、17年スーパーフォーミュラ(9位/1点)、スーパーGT(7位/2点)、16年スーパーフォーミュラ(7位/3点)の合計41点を獲得した山本はその権利を有しているはずだった。
ところが、スーパーGTがSLポイントの対象となったのは18年からだったため、山本の17年の2点は有効ではなく、実際には39点しかないことが判明した。FIAはポイントの詳細は明らかにしなかったが、「山本尚貴の過去3年間のSLポイントではSLを発給するに十分ではなかった」(マイケル・マシ/F1レースディレクター)ことを認めている。
■フリー走行限定のスーパーライセンス取得にも大きな壁

ただし、山本尚貴の場合、F1マシンを走らせるのは日本GPの金曜日だけなので、完全なSLは必要ではなく、フリー走行を参加するためだけなら、SLポイントは25ポイント以上あれば良い。ところが、その場合、グランプリ週末以外に現行のF1マシンで300km以上の走行経験が義務付けられている。
ところが、ここで問題となったのが、『現行のF1マシン』という条件だった。これはパワーユニット(PU/エンジン)を搭載した14年以降のマシンを意味するのだが、山本尚貴サイドがこれまで取得していたSLポイントが十分ではないと認識したとき、今年のインシーズンテストが終了していた。
そのため山本尚貴が現行のF1マシンを走らせるにはプライベートテストしかない。だが、その場合は2年落ち(17年)以前のマシンしか許可されていないのだが、2年より前にホンダがパートナーを組んでいたのはマクラーレンで、レッドブルとトロロッソもホンダ以外のPUを搭載していたため、事実上実現不可能な状態だった。
そこで山本尚貴サイドは、当初ペナルティポイントを科されずシーズンを終えた場合に付与される『ボーナスポイント』を合算して41点にしようとした。ところが、山本尚貴が参戦していたスーパーフォーミュラとスーパーGTは、FIAが直轄するカテゴリーではなく、ボーナスポイントの対象外シリーズだったため、ボーナスポイントの2点を得ることができなかった。
そのような状況で、動いたのがFIAだった。FIAが目をつけたのが山本尚貴の今年の成績だった。それは、山本尚貴が今年のスーパーフォーミュラで最終戦を前にしてランキングトップにいたからだ。もし山本尚貴が日本GP終了後の10月27日に開催されるスーパーフォーミュラ最終戦に参戦しなくとも、2019年のスーパーフォーミュラでシリーズ5位以上は確定しているため、過去3年間(39点)ではなく、今年を含めた3年間の成績でSLポイントを計算しようという措置だった。
これによって、山本尚貴のSLポイントは、18年のスーパーフォーミュラ1位の20点に、18年のスーパーGT1位の15点、17年スーパーフォーミュラ9位の1点に加え、19年に獲得するスーパーフォーミュラ5位以上の7点+αとなり、合計43点+αとなった。
マシによれば、「この件に関しては、10月4日にドイツ・ケルンで開催された世界モータースポーツ評議会(WMSC)において討議が行われ、WMSCは山本尚貴に対してSLを発給するという最終決断を下した」という。そして、「これは、フリー走行限定ライセンスではなく、正式なSLである」ことも付け加えた。
今後の山本尚貴のF1活動は未定だが、正式なスーパーライセンスを取得したことで、山本尚貴は今後3年間、正ドライバー、サードドライバー、金曜日ドライバー、テストドライバーなど、さまざまなチャンスが広がったことだけは確かだ。
(Masahiro Owari)
関連ニュース

1位 | オスカー・ピアストリ | 216 |
2位 | ランド・ノリス | 201 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 155 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 146 |
5位 | シャルル・ルクレール | 119 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 91 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 63 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | エステバン・オコン | 23 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 22 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 417 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 210 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 209 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 162 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 55 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 36 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 29 |
8位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 28 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 26 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

