トロロッソ・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のトロロッソ・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回は第2戦バーレーンGPと第3戦中国GPを、ふたつの視点でジャッジ。
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予選でピエール・ガスリーがQ1敗退。レースでは2台そろってスタートでポジションを落としてしまう。さらにその後もペースは上がらず、1回目のピットストップを終えた21周目の段階での順位はブレンドン・ハートレーが19番手、ガスリーは20番手と最後尾を走行していた。挙句に2台が接触。
中国GPのトロロッソ・ホンダに良いところはまったくなく、1台が15位で完走し、もう1台はガレージでレースを終えるという結果は、奇しくも開幕戦と同様の成績だった。
しかし、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「メルボルンの後とは、状況はちょっと違う」という。
「というのも、われわれにはバーレーンGPでのパフォーマンスがあります。あれはなんだったのか? なぜ良かったのか? もちろん、メルボルンでもわれわれはペースが上がらなかったので、上海だけでなくメルボルンの走りももう一度しっかりと分析し、どうしたら、バーレーンのようなパフォーマンスを取り戻すことができるように努めたい」
中国GPだけを見たら、「非常に残念な結果」なのだが、これから18戦を戦ううえで大切なことは、1戦1戦を点で見るのではなく、線で見つめることである。
そこで気になるのは、ガスリーのパフォーマンスの波だ。
ハートレーの予選はオーストラリアGPが16位、バーレーンGPが11位、中国GPが15位といい意味でも悪い意味でも安定しているのだが、ガスリーはオーストラリアGPが20位、バーレーンGPが6位、中国GPが17位と変動が激しい。この差はいったいなんなのか?
考えられる要因のひとつが、コース経験の違いだ。2年前にGP2(現在のF2)に参戦し、昨年は主に日本でスーパーフォーミュラを戦っていたガスリーにとって、オーストラリアと中国は初めてのコースだった。これがセットアップを煮詰めていくうえで、迷いや誤解を生む結果となったのではないか。
オーストラリアGPも中国GPも、経験という観点からいえば、ガスリーにとっては貴重な体験であり、多くのことを学んだ一戦となったはず。
次のアゼルバイジャンGPは、ガスリーにとって2016年に走った経験があり、レース2で2位に入ったこともある相性のいいサーキット。雪辱を果たしてもらいたい。
(Masahiro Owari)