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年忘れ覆面座談会1:可夢偉に残された第3の可能性

2014年12月28日

──それでは続いて、日本のファンをヤキモキさせたケータハム。

C氏:これを言っちゃおしまいだけど、小林可夢偉はケータハムに入ったのが悪かった。

A氏:ルノーのパワーユニットが良ければ違ったかもしれない。でも、結局は2月の段階でトニー(フェルナンデス)からお金が入らなくなっていたようだから。チーム代表として名前は残っていたのに、お金は一切払っていなかった。だから開発もできなくて、カムイは春くらいから「新しいパーツをコンピュータ上で開発しているけど、実物を製造するお金がないから使えない」と言っていた。LCCだから、コストカットの精神だったんじゃない(苦笑)? 

──コリン・コレスは、なんだったんでしょう?

C氏:あれは壊し屋というか、乗っ取り屋。弱いところにどんどん入ってきて食いつぶす。ハゲタカだよ。すでに、バーニー・エクレストンは彼らと距離を置いている。

A氏:最初はお金を入れてアップデートしたんだよ。でも思うように追いつかなかったから、あとは食えるだけ食ってやろうと。

C氏:コレスは本当に、お金を入れたのかな?

A氏:コレスというか、あのファンドの資金を使ったんでしょ。そうじゃないとアップデートできない。

──彼らにとっては結果的にプラスになったんでしょうか。

A氏:マーカス(エリクソン)からのお金でチームを回して、ザッツ・オールじゃないかな。コレス自身はシンガポールGPでドロンだからね。最終的には自分のチームに参戦権を移行したかったけど、お金がもたなかったからやめたという話でしょう。

B氏:エリクソンはケータハムが出場できなくなって、すぐにチームと縁を切ってザウバーとの契約に動いたんだけど、エリクソンを支援する資金をまとめているファンドが、状況を知らずにケータハムのクラウドファンディングに送金してしまったらしい。送金する前に、エリクソンのマネージャーに確認すればよかったのに連絡ミスだよね。エリクソン側としては、そのぶんマイナス。

──管財人のフィンバー・オコネルさんは今後どうするんでしょう?

C氏:最終戦に出たのはチームを売るための措置だから、売れなかったらこのままおしまいだね。

B氏:2015年は、9チームの可能性が高いけど……。

──ギリギリで買い手が見つかる可能性は、まだ残っているようですね。可夢偉選手は最終戦でも新型フロントウイングを使えず、チームメイトにいってしまったのは残念でした。

A氏:新型といっても日本GPで登場したパーツだよね。最終戦でシートを得たウィル・スティーブンスは、そういう契約でお金を払っていたから「可夢偉に渡したほうが結果を期待できる」という理由では引っくり返せないよね。


C氏:その話で思い出したぞ。ロシアの「ラムチョップ事件」というのがある。

A氏:ああ、イアン・フィリップスとマンフレディ・ラベットにインタビューしたときね。

C氏:ちょうど話しはじめたところで、彼らの前に料理が出てきてさ。それが、すごい豪華だったのよ。ケータハムに、こんなメニューあったのかと。

A氏:ラムチョップが交差して盛りつけられて、しかもソースが別に出てきて。

C氏:「アメリカには新しいウイングを持って行って、カムイに使わせるよ」と、もぐもぐ食べながら話してたよ。ああ、嘘つきってこうなんだ、いいもの食ってんなーと。

A氏:それが、彼らを見た最後の姿だった──。

──その時点で「これは嘘だな」と、わかったんですか。

A氏:もう、明らかに嘘! 「じゃあ今パーツ作ってるの?」ってマンフレディに聞いたら「そ、そうだね……」と目が泳いじゃって。そこらへんが徹しきれてない。嘘つきに徹したコレスと徹しきれなかったマンフレディ。

B氏:カムイは日本でスーパーフォーミュラに乗って速かったんだろ? それだけ実力のあるドライバーがシートを失うのは残念だ。

A氏:でも、カムイはサードドライバーの可能性を探って、F1チームと交渉を続けているはずだよ。エステバンはフェラーリと契約したから、まだフォース・インディアのリザーブは空いている。

──アブダビテストに参加したジョリオン・パーマーは?

A氏:フォース・インディアでテストに乗って、すんなり契約したドライバーはいないからね。ジェームス・カラドだって、そうだし。

B氏:カムイに残された選択肢で、最も可能性が高いのはフォース・インディアの第3ドライバーだね。フォース・インディアは2016年にホンダのパワーユニットを使うという噂もある。ただ、それがカムイにとって追い風になるかどうかは微妙だけど。

──可夢偉選手はスーパーフォーミュラ参戦の可能性も噂されていますが、いずれにしても、いいニュースを待ちたいです!

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 またしてもカレーの話で幕を開けた禁断の覆面座談会、第1回はここまで。

第2回は、最終戦でカメラがとらえたロータスのピットガレージでの「不思議な光景」の謎が明らかになる……かもしれない。

(F1速報)





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