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【レースの焦点】勝利を狙いギャンブルを。フェルスタッペンとチームが魅せた“攻撃的”レース
2016年11月15日
ヒュルケンベルグをかわしたのは65周目のターン4。続く66周目、セバスチャン・ベッテルはターン4の攻防でレッドブルを抑えたものの、ターン12に向かって“道”を探ったフェルスタッペンはフェラーリが右のアウト側に動いた瞬間にインに飛び込んだ。67周目の相手、カルロス・サインツをターン4で捕えた後は、表彰台を賭けてセルジオ・ペレスとの攻防が始まった。
フォースインディアとレッドブルの間隔は4秒あった。しかしラップタイムが2秒速いレッドブルは69周目には真後ろに迫り、もっとも独創的な場所、ターン10でアウトからペレスの左に並んだ。
4輪を縁石に載せながら少しふらつくレッドブル。フェアに左のスペースを残そうと努めるフォースインディア。2台は並走したままターン11をクリアし、ターン12への加速でレッドブルが前に出た。
まるでひとり違う世界を走るように、既成の走行ラインをすべて裏切ってオーバーテイクに成功した19歳は「水煙の中だと前が見えないから、他のラインを選ばなくてはならなかった」とだけ言う。でも、自らの腕とマシンを足し算すればどこがもっとも効果的か、相手の強みと弱点を見極めながら冷静に判断していた。
「作戦は上手くいかなかったけど、最高のオーバーテイクで表彰台まで戻ってこれたんだから、今日はすごくハッピーだ」
ライコネンのクラッシュを避けた時の見事な反射、自らがハーフスピンした時の奇跡のようなコントロール。レース中も「緊張することは滅多にない」というフェルスタッペンも「ちょっと心拍数が上がった」レースだった。
メルセデスのふたりにはタイトル争いがある。フェラーリは心機一転のための成績が必須。フォースインディアとウイリアムズはコンストラクターズ選手権で接近戦を繰り広げてきた。周りのどのチームよりも、レッドブルはギャンブルする自由を手にしていたのだ。
振り返ってみれば、2回の赤旗中断以外はピットに入らずウェットタイヤで走り続けた作戦が正解――2台のメルセデスの後方では、ペレスやサインツがポジションを上げて4位、6位という好成績を残した。そしてザウバーにシーズン初ポイントをもたらしたフェリペ・ナッセもノンストップ作戦。コントロールの難しいザウバーのマシンを駆って、母国GPをミスなく走り「勝利にも等しい」9位入賞を果たした。
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レース序盤、ペレスの前を走行していたヒュルケンベルグはパンクチャ―が不運であったが、得意のウェット/インテルラゴスで7位まで挽回、チームメイトとともにコンストラクターズ選手権4位をほぼ確実なものにした。
雨のチャンスに賭け、メルセデスを翻弄しようとトライしたレッドブルと、心を動かされなかったメルセデス。ハミルトンは念願のブラジル初優勝が意外なほど「簡単なレース」の末に手に入ったと言う。水煙と冷えたタイヤに苦しめられるコンディションでは、前に誰もいない状態で走れることそのものが特権だと、熟知していたのだ。
そして、ピットから何度訊ねられても「インターミディエイトは問題外。最終セクターの水が多すぎる」とステイアウトしたロズベルグのレースは、地味に見えて堅実な思考に満ちたもの。リスタート時、ハミルトンとの間隔を開けて視界を確保したのも正解。
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「僕らのポジションを考えると、大きなリスクを冒すことはできなかった。今日は2位で満足しないとね」
タイトルを争う者の、この“スピリット”があれば、2週間後にはきっと勝利が待っている。
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 219 |
2位 | ランド・ノリス | 150 |
3位 | シャルル・ルクレール | 148 |
4位 | カルロス・サインツ | 116 |
5位 | セルジオ・ペレス | 111 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 87 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 81 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 70 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 330 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 270 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 237 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 151 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 8 |
8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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