ただボッタスは、ロズベルグに抗う術もあったように思います。それは、タイヤ交換のタイミングをもう少し早くすること、でした。
第1スティントの終盤、前記したように、ボッタスのペースは極端に落ちます。ここまで落ちる前、少なくともペースが1分44秒台の間にソフトからミディアムに交換していれば、ボッタスはロズベルグの前でフィニッシュできていた可能性もあります。
ボッタスはミディアムタイヤでの走り出し、タイヤの発熱に苦しんだのか、なかなかペースを上げられずにいました。その間にロズベルグの接近、そしてオーバーテイクを許してしまい、順位を明け渡す結果となってしまいます。38周目にボッタスのラップタイムは1分42秒台に入り、その後ますますペースは上がって、終盤には最速ラップも記録。おそらくボッタスは、タイヤの性能を余したままフィニッシュを迎えたはずで、もう少し早くミディアムに交換していれば、ロズベルグとの最終的な差、3.768秒を埋めることができた可能性もあります。まぁ、これはあくまで結果論ですが、少なくともソフトタイヤを引っ張りすぎた感は否めません。
とはいえ、52周もデグラデーションを発生させず走り切れてしまうタイヤは、少々コンサバな選択すぎた気もします。初開催サーキットなので仕方ない部分もあるでしょうが、ソフトとスーパーソフトの組み合わせでも、十分レースができ、戦略の面白味も出たと考えられます。
ところで、メルセデスAMGとウイリアムズ以外にも特筆すべきチームがあります。それはマクラーレンです。昨日の「F速予想」でも書きましたが、マクラーレンは順調に開発が進んでいて、タイヤを上手く使えるようになってきているそうです。ロシアGPの決勝でも、確かにかなり良いペースで走行し、現時点ではメルセデスAMG、ウイリアムズに次ぐ3番手チームになっているように見えます。ジェンソン・バトンもレース後、マシンの進化に手応えを感じている旨のコメントを発信しています。今後が楽しみなマクラーレン、と申し上げておきましょう。
(F1速報)