相手は違えど、アロンソも先行車に前を阻まれ、上位進出を逃したひとり。アロンソは最初のピットストップをリカルドと同じタイミングで行いますが、ペナルティ(フォーメーションラップ開始15秒前までにメカニックはグリッドから離れなければならないが、エンジンスターターのバッテリートラブルでこれに遅れてしまい、5秒ストップのペナルティを課せられた)を消化したためにケビン・マグヌッセンの後ろでコースに復帰します。しかしアロンソは、マグヌッセンを抜くことができず……最終スティントでも再びマグヌッセンに行く手を阻まれ、終盤にはベッテルとジェンソン・バトンにもポジションを奪われてしまいます。結局、8番手(マグヌッセンのペナルティにより7位で確定)でチェッカーを受けました。ただ、もしアロンソがペナルティを受けていなければ、マグヌッセンに捉まることもなく、最終盤にはライコネンと4位を争うことも可能だったはず。惜しいポイントを逃しました。
ロズベルグとボッタスというふたりの強力なライバルを、ベッテルが長期間にわたって押さえたことで、すべてがリカルドにとって都合良く展開し、ハンガリーGPに続いて連勝。ベッテルはリカルドに対して、絶好のアシストを送ったという格好です。これが戦略だったのかどうかは分かりませんが……。とはいえ、ライバルに綻びが見えた時、確実に勝利を掴んでくるレッドブルには、さすが4連覇中のチャンピオンチームとも言うべき風格があります。
ところで、“パワーユニットのライフを労るため”にリタイアしてしまったハミルトンですが、彼の選択は正しかったのでしょうか? レース中盤、映像では1コーナーを片手運転でクリアする場面などが映されており、「ちょっと気が抜けているんじゃないか?」と思う場面も多々ありました。ただ、ハミルトンの最初のピットイン後のペースは、トップとほとんど変わらないもの。もしそのまま最後まで諦めることなく走り切っていれば、アロンソを抜いて7位という可能性もあったように思えてなりません。このポイントが、今年のチャンピオンシップ争いに影響してこなければいいのですが……。
(F1速報)