だが、実際には来季のF1はシートがほとんど埋まっており、残されている数席も実質、持参金が必要で、その額は高騰の一途を辿っている。
「非常に厳しいところがありますね。現実問題、今のF1はお金の問題が先行しているので、正直、僕の中で10億、20億円をすぐに集めてこいと言われても、チームが決まっていない段階で実際には厳しい。もしそれを集められるならば、去年も苦労していなかっただろうし。ましてや僕らが集めて持っていったとしても、すぐにまた値段がつり上がるような状況なので、現実的なチャンスとしては厳しいなと思っています」
来季以降の可能性として、我々ファンが期待するのは2015年から参戦するホンダ&マクラーレンのシートだ。可夢偉はホンダのシートについて明確に希望を延べ、そして自分の役割をアピールする。
「(ホンダのシートは)もちろん視野に入っています。もし、そのチャンスがあるとすれば僕としては本当に嬉しい。1年目から勝ちたいというメッセージは聞いているので、僕自身、自分なりに経験もあると思うし、新しいV6エンジン、ルノーのエンジンも乗ったという経験があるので、うまく利用してもらえれば十分、使い物になると思います」
「(ホンダに入れれば)絶対、貢献できる自信がある」
F1以外のカテゴリーについては「今は考えてない」という可夢偉。F1に残れるならば開発ドライバーも構わないという姿勢は、これまでの可夢偉とはまた違った覚悟を感じる。
「何らかの形でF1に残りたい」
今の可夢偉がF1で勝てる可能性を秘めているベストな日本人ドライバーであるのは誰もが認めるところ。その才能と可能性をこのまま枯らしてしまうのは、日本のモータスポーツ界にとってはあまりに惜しい。この可夢偉の覚悟が報われるか否かは、今後の日本とF1、はたまた日本のモータースポーツの未来への大きなターニングポイントになる。
(F1速報)