1コーナーは全車が綺麗に抜けたが、2コーナーではいくつかの接触事故があった。中でも一番大きかったのが佐藤琢磨(アムリン・アグリ)とブルーノ・セナ(マヒンドラ)の事故。この接触で、セナはマシンを壊し、リタイアすることになってしまう。
コース上にストップしてしまったセナのマシンを撤去するために、2周目からセーフティカーが出動。このセーフティカーは3周にわたってコース上に出動する。
5周目からレースが再開されると、トップを走るプロストが、2番手のディ・グラッシを徐々に引き離していく。後方では、6周目に佐藤琢磨がネルソン・ピケJr(チャイナ)を交わして11番手に上がるも、周回後れのホー-ピン・タン(チャイナ)に詰まる格好となり、ふたたびピケJrに順位を明け渡してしまう。
琢磨を交わしたピケJrは、その後ペースを上げ、8周目にオリオール・セルビア(ドラゴン)をかわして10番手。彼らの後方には琢磨がつけていたが、10周目の1コーナーで突如琢磨のマシンがストップしてしまう。
「電気回路が不具合を起こしたみたいで、突然パワーカットされて、止まっちゃいましたね。しばらく再起動を繰り返してたらモーターが回ったので、コースに復帰したんですけど、クルマはトラブルを抱えていたので、すぐにマシンを乗り換えました」(佐藤琢磨)
トラブルを抜きにして言えば、最初にルーティーンのピットインを行なったのは、12周終了時点でのハイメ・アルグエルスアリ(ヴァージン)とステファン・サラザン(ヴェンチュリ)の2台。フォーミュラEのレギュレーションでは、1回のピットストップに1分47秒以上をかけなければならないという決まりになっている。
翌13周目終了時点で、上位勢などもピットインを行なう。“レース中にマシンを乗り換える”ということがなかなか想像できなかったが、各チーム、ドライバーとも、大きな混乱なく、ピットストップが行われた。制限の1分47秒以内でほとんどのマシンが作業を終わらせ、ガレージ内で待つほどだ。