☆☆☆☆
ダニール・クビアト
1コーナーには350km/hでアプローチする。そこでいきなりノーブレーキに近い状況になった瞬間を想像すれば、彼が演じた危機回避ファインプレーの凄味が分かると思う。コース左側の狭い芝生ゾーンは「細いピアノ線」に見えたはず。そこをクラッシュせずコントロールするとは、二十歳の天才をまたまた痛感。
ルイス・ハミルトン
08年戴冠シーズンは5勝、それを超える6勝目はPPと最速ラップのハットトリックで。金曜から“元チームメイト"を圧倒、パラボリカをドリフトで攻め上げる走りに客席のティフォシも拍手(!)。シフトアップ加速しながら高速旋回するF1コース唯一のコーナー、ここを見れば誰が一番乗れているか一目瞭然なのだ。トラブルがまた起きた金曜FP2以外はすべてトップタイム、スタートで出遅れてもリーダーを追い詰めミスを誘った。22点差、ここからカウントダウン勝負が始まる。
☆☆☆☆☆
ダニエル・リカルド
注目されたモンザ最高速を決勝でリカルドが362.1km/hを記録。これは05年モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)の372.6km/hに次ぐ2番目、レッドブル・ルノーでウイリアムズとメルセデスを超えた。1周目12位から得意のロングスティントで26周、ハードにつなぐとロッジア進入ブレーキングで次々にオーバーテイク。またも最終ラップで自己ベストタイムを叩き5位入賞、首位に70点差。開幕2戦をゼロからスタートしここまで来たのは驚異以外のなにものでもない。
小林可夢偉
報われない17位のベストレースにせめてここで五つ星を捧げたい。2年ぶりモンツァ、急きょ決定した復帰だけにFP2からとてもていねいにアプローチ、そこが変わった可夢偉力。予選では実に1.507秒も短縮、ちなみにビアンキは0.921秒、これはトップチーム・レベルの上げ幅だ。すべて彼のセットアップとドライビングによる。レース・ベストタイムはエリクソンより1.811秒も速く、このチームに今、誰が必要なのかは言うまでもない。
☆なし
他11人
(今宮純)