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【今宮純】バルセロナ、アップデート新勢力図

2014年5月10日

F1Sokuho

 木曜から温暖な地中海性気候につつまれたバルセロナ、金曜午後FP2セッションは気温24度、路面温度44度でバーレーンGPのときより“ホット”に。新PU(パワーユニット)5戦目、14年マシンにここから大幅なアップデートが入った。レッドブルには昼過ぎ「手荷物扱い注意」と書かれた大きなボックス(宝箱?)が届き、中から数点のパーツがガレージ内に手早く運び込まれた。片手で持てるモノばかりだったからエアロキットの一部ほかだろう。このセッション、セバスチャン・ベッテルがFP1トラブルのせいで走れず、ダニエル・リカルド1台で試すほかなくなったのは誤算だが。

 7つもコーナーが続くセクター3は新PUとシャシーそれぞれのアップデート効果をチェックするにはうってつけ。ヘアピンの10コーナーは300→70km/hの減速、11〜12コーナーは上りのS字、その先の13コーナーは意外にトリッキー。コクピット目線では右に下りこむので高低差ブラインドになるから。そして14〜15コーナーは左・右の下りシケイン、縁石カットが難しく跳ねる。最終16コーナーは満タン時以外、全開通過可能で手前15コーナー出口のトラクションがポイントとなってくる。つまりPUのドライバビリティ、シャシーのハンドリングすべての要素がこのセクター3に集約されるのだ。

 リカルドのレッドブル・ルノーは13コーナーが速く、ブラインドでも彼はベストラインを外さない(しっかりメモリーしているのだろう)。その速度をキープしたままシケインに進入、160→80km/hへのブレーキング姿勢も安定。左・右のシケイン切り返しも気持ちいい俊敏さで、フラットな態勢からルノーPUのトラクションもとてもいい感じ(!)。RB10のエアロパフォーマンスとルノーPUのレスポンスに融合性があり、ここで見る限りはメルセデスに全く引けをとらない。これは絶対次モンテカルロにつながる――。毎年このエリアで目に見える進化を遂げたところは必ずモナコGPで上がってくるから。


 マシン修復のためにベッテルはゼロ周、全く見られなかったのは残念。序盤戦を通じてやや“スランプ気味?”だったとはいえ、これだけ進化したマシンをたっぷり走り込めたなら、ふたりのデータ相乗効果によってメルセデス勢にさらに迫れたのではないか。それにしても不運なベッテル、金曜4周とは……。

 タイムシートは1位ルイス・ハミルトン、2位ニコ・ロズベルグ。タイムを稼いだのはやはり高速区間のセクター1と2、パワー&トルクによる。このセクター3はどちらかといえばロズベルグが得意な“コンビネーション・コーナー区間”、それでも今のハミルトンにはきれいな流れが感じられた。アクセルとブレーキのペダルタッチが強すぎず弱すぎず、タイヤロックもホイールスピンもこれまでより非常に少なくなった、これが14年ルイス・スタイル。

 4&5位にそろってフェルナンド・アロンソとキミ・ライコネンが0.175秒差。悩みのBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)セッティングが好みのゾーンに近くなったライコネン、減速完了動作がふたりともほぼ同じように映った。序盤4戦ではなかなかそうならず、それがアロンソとの差異になっていたが一歩前進。ただ2台ともアクセルオンでリヤ・リアクションに唐突な前後左右挙動があり、単純に言えば、ぶれる。これがPUソフトウエアか、F14 Tメカニカルグリップか、エアログリップか、それらによる影響なのか。レッドブル・ルノーの進化度に比べるとまだ若干劣る部分が見て取れる。

 メルセデス・ユーザーで下落傾向にあったマクラーレンが歯止めをかけてきた。初日まだグリーンなコース路面条件でグリップが向上、フロントダウンフォースが得られたことでタイヤ発熱も改善されたのだろう。これは確かなアップデート効果、さすがというかビッグ・マクラーレンの総合力。ウイリアムズとフォース・インディアを金曜FP2では逆転、さて48時間後にどうなるか――?


(今宮純)




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