ラルフ・シューマッハーは当初の予想を上回る重傷というショッキングなニュースが伝えられたのを受けて、BMWウイリアムズF1チームは今週末のフランスGPにリザーブドライバーのマルク・ジェネを出場させることを正式に発表した。
医師団が明らかにしたところによると、ラルフは2週間前のアメリカGPでウォールにクラッシュした衝撃で背骨の2カ所を骨折しており、回復には最大で12週間を要するという。彼がいつレースに復帰できるかは今のところ明確に示されておらず、場合によっては今シーズン(そしておそらくウイリアムズでの最後のシーズン)中の復帰は難しいかもしれない。
「ラルフが早くケガを治してくれることを願っているし、今シーズン終了までにはレースに復帰できるものと期待している」とフランク・ウイリアムズはコメントした。「幸いなことに、私たちには当面の空席を埋めてくれるマルクのような優れたドライバーがいる」
昨年もイタリアGPでラルフの代役を務めたジェネは、F1で34回の出走を記録しているベテランで、ミナルディ時代に2度マニ‐クールで決勝を走った経験がある。また、今季ジェネはウイリアムズのテストドライバーとしてFW26で1万3千キロ近くを走り込んでおり、マシンの特性は十分に知り尽くしている。
「同じチームの仲間が災難に見舞われたときにだけ、こういう機会が訪れるのは辛いことだが、そうした状況の中でベストを尽くし、ラルフの不在によってチームが痛手を受けずにすむようにすることが僕の仕事だ」とジェネ。「マニ‐クールではレースの経験もあるし、FW26ではもう何千キロも走っている。それが今週末のフランスGPでいいパフォーマンスを見せるための足掛かりになってくれるだろう」
興味深いことに、ラルフの復帰がかなり先のことになるという医師団の発表が伝えられた後も、ウイリアムズは“長期的な代役”を指名する動きを見せていない。しかし、チームのコメントからは、ジェネの起用はとりあえずマニ‐クールとその翌週に控えるシルバーストンに向けての暫定的な対応というニュアンスも読み取れる。それ以降のファン・モントーヤのパートナーとしてウワサに上っている候補者としては、ジャック・ビルヌーブ、マーク・ウエーバー、アンソニー・デイビッドソンらがいる。