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F1技術解説:第2戦(1)ローダウンフォース仕様でフェラーリに勝利したレッドブル

2022年4月4日

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では、激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて考察する。


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 F1サウジアラビアGPで、マックス・フェルスタッペンは、シャルル・ルクレールとの一騎打ちを制した。しかしレースフィニッシュの差は0.549秒、セルジオ・ペレスが初ポールを獲得した予選も2番手ルクレールとはわずか0.025秒差と、レッドブルとフェラーリは超接近戦を繰り広げた。


 ただしたとえ僅差であっても、両チームがそこに至る方法はまったく異なる。


 レッドブルRB18は、ストレートエンドでフェラーリF1-75よりはるかに速い(予選では8km/h速く、決勝レースのフェルスタッペンはルクレールより14km/hも速かった!)。以下の写真で明らかなように、最大の理由はレッドブルがローダウンフォース仕様だったからだ。

2022年F1第2戦サウジアラビアGP レッドブルRB18とフェラーリF1-75のリヤウイング
2022年F1第2戦サウジアラビアGP レッドブルRB18とフェラーリF1-75のリヤウイング

 フェラーリのリヤウイングはより巨大で、より大きなダウンフォースを発生させる。当然ながら、ドラッグも大きい。マッティア・ビノット代表はサウジアラビアのレース後、チームの選択は正しくなかったと認めている。


「マックスは金曜日にダウンフォースをやや強めにして、残りの週末はそれを弱めた。一方で我々は、タイヤの摩耗を抑えるためにもハイダウンフォースがいいと思った。しかし結果的に、タイヤはあまり劣化しなかったね」


「レッドブルの選択は、分析する価値がある。ほんの少しのディテール、ほんの少し優れたパーツがレースの勝敗を決めるということが、今回もよく分かったよ」


 レッドブルはリヤウイング下にあるビームウイングにも、工夫を凝らしていた。開幕前テストに比べてより抵抗の少ないビームウイングを投入した結果、直線区間で一気に速くなった。

レッドブルRB18のビームウイング
レッドブルRB18のビームウイング

 2017年の禁止後、今季から再登場したこの小型ウイングは、ディフューザーから汚れた空気を上に吸い上げ、オーバーテイクを容易にするように設計されている。


 そしてレッドブルはフェラーリよりもポーパシング(激しい縦揺れ現象)が少ない。エイドリアン・ニューウェイが設計したRB18は、ポーパシングを誘発せずに、車高を下げることが可能だ。


 一方フェラーリはダウンフォース量が多いのに、加速性能が高い(パワフルなエンジンと、ギヤボックスが短いおかげでもある)。これらの特性で第1セクターは非常に速く、DRSの恩恵も受けることができた。



フェラーリF1-75のリヤウイング
フェラーリF1-75のリヤウイング

 上の画像にあるように、フェラーリはリヤウイングのトップフラップを薄くすることでダウンフォースを減らしている。しかし一方で奥行きの湾曲したメインフラップは、バーレーンと同じ仕様だった。その結果、ダウンフォースレベルはレッドブルより高くなり、ストレートで苦戦を強いられたことで、レース終盤での逆転を許したのだった。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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ドライバーズランキング

※シンガポールGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン331
2位ランド・ノリス279
3位シャルル・ルクレール245
4位オスカー・ピアストリ237
5位カルロス・サインツ190
6位ルイス・ハミルトン174
7位ジョージ・ラッセル155
8位セルジオ・ペレス144
9位フェルナンド・アロンソ62
10位ニコ・ヒュルケンベルグ24

チームランキング

※シンガポールGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム516
2位オラクル・レッドブル・レーシング475
3位スクーデリア・フェラーリ441
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム329
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム34
7位マネーグラム・ハースF1チーム31
8位ウイリアムズ・レーシング16
9位BWTアルピーヌF1チーム13
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