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前年度の最終形から正統進化したレッドブル・ホンダRB16B/F1開幕直前チーム分析
2021年3月17日
開幕前のバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたF1プレシーズンテスト最終日。午前の走行を担当した新加入セルジオ・ペレスが期間中の最速ラップを更新し、よりコンディションの上がる午後の時間帯を迎えると、バトンを受けたマックス・フェルスタッペンがさらにタイムを1秒以上書き換える。使用タイヤは、ともにコンパウンドが軟らかい側からふたつ目のC4タイヤ。
王者メルセデスは7冠ルイス・ハミルトンにもっともソフトなC5タイヤを履かせ、終盤に勝負を挑んできたが、そのタイムは全体5番手に留まる。
フェルスタッペンのマークした1分28秒960が、このオフにおける全参加ドライバー中の最速となった。一方ペレスは午後にタイム更新が相次いだことで8番手にまで下げたが、同じ条件ならもっと上のポジション確保も可能だったはずだ。
今季、レッドブル・ホンダの2021年型マシンRB16Bの競争力を占う上で、フェルスタッペンが刻んだ最速よりも、移籍ペレスのこの充実ぶりのほうがより大きな要素となる。
ペレスはテスト前に行なわれたRB16Bシェイクダウンの際、「(移籍前に)外で見ていて、(レッドブルは)かなりフロントの強いクルマだと感じていた。実際走らせてみて、その通りだったよ」との印象を口にしていた。
プロモーションのための撮影日を使った走行で、タイヤもそれ専用のグリップレベルの低いものではあったが、裏を返せばリヤのスタビリティには懸念が見えた。
これはRB16Bのベースとなる前年型、特に初期仕様で言われていた悪癖で、本来そうした『フロントの強い』特性を好むはずのフェルスタッペンでさえも手を焼いていた。
レッドブルはそんな症状を改善するため、昨年の第14戦トルコ時点でジオメトリーを見直した新型サスペンションを入れてリヤの挙動安定を図る。やがてこのリヤサスペンションのセットアップ面が進んでくると、最終戦アブダビでフェルスタッペンは圧巻のポール・トゥ・ウインを果たした。
テスト2日目に、ペレスが初日のフェルスタッペンからRB16Bの走行を引き継いだ。途中リヤカウルが吹き飛ぶというアクシデントはあったが、ペレスは特に新天地でのドライブにとまどうような姿は見せず、しっかりとレースシミュレーションを完了させる。そして翌最終日には、前述のように一発のタイムも出す。
もしRB16Bが前年初期型の気難しさを残しているようなら、移籍したてのドライバーにこの芸当はできない。つまりRB16Bは前年最終形から、正しく進化した。
レースペースについても、他ならぬライバルのメルセデスから「われわれより速い」との評価があがる。
活動ラストイヤーとなるホンダ・パワーも、順調そのものだ。『新骨格』と表現されるとりわけICE(内熱機関)設計を一変させた今季パワーユニット『RA621H』だが、アルファタウリ側でささいな電気系の問題は出たが、レッドブルはトラブルフリーで走り初日フェルスタッペン139周、2日目ペレス117周、最終日は両ドライバーで113周と、計369周ものマイレージを稼いだ。
ライバルたちも含めてどんなモードで走らせていたのか、また本番スペックでの上積み等、開幕を前にまだ疑問点は残るが、少なくともこのテスト段階では一級品の競争力と信頼性を兼ね備えたものだと言っていい。
大いなる覚悟で臨むレッドブルとのファイナルシーズン、メルセデス連覇を阻む野望は叶えられるか。
(Shin Yasui)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 219 |
2位 | ランド・ノリス | 150 |
3位 | シャルル・ルクレール | 148 |
4位 | カルロス・サインツ | 116 |
5位 | セルジオ・ペレス | 111 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 87 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 81 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 70 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 330 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 270 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 237 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 151 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 8 |
8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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