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今宮純によるF1アブダビGPドライバー採点&短評:一世一代の仕掛けを成功させた去りゆく王者
2016年12月4日
F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。
☆ ロマン・グロージャン
何度か恐怖の“ノーブレーキ状態”に遭っても、コクピットにおさまれば全力疾走。プロ意識か、本能か。フリー走行中に一度もロングランできなかったが11位、自己ベストラップは4位、ハミルトン・メルセデスにまさった。新ハース・チーム〆の“準入賞”。
☆☆ エステバン・オコン
ちらっと国際TV画面に映ったマノー対マノー、ブラジルGP12位に続きウェーレインに先着13位。自己ベストラップでも先行、後半9レースしたマノーを立派に卒業。
☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
1コーナーでフェルスタッペンと交錯、フロアにダメージを負うも7位入賞。フォースインディア79戦目ラストランをしっかりまとめ上げた。以前、彼が日曜深夜遅くまで残り、パドックでチーム撤収作業を黙々と手伝う姿を目撃。なかなかできることではない。
☆☆ マックス・フェルスタッペン
雨のブラジルGPで危機一髪スピンを修正、ここでもスタート直後1コーナーでのアクシデントを切り抜けた。スピンした瞬間、進行方向を見据えて復帰する反射能力。しかもそれでSSタイヤを痛めたはずなのに22周ロングラン(!)。その“タイヤ・マネージメント”が光る。やや苦手な課題も克服してみせた4位。
☆☆☆ ダニエル・リカルド
フェルスタッペンと分けた2ストップ戦略によって5位入賞、今年21レース完走率100%。入賞できなかったのは第4戦ロシアGPのみ、メルセデス二人に次ぐランク3位に“殊勲賞”を。最速ラップ4回はハミルトン3回を上回る。速さプラス安定感、6年目の進化。
☆☆☆ ジェンソン・バトン
「おつかれさま」――323戦バリチェロ、307戦ミハエル・シューマッハに続く305戦バトン。ラストランはなかなかうまくいかないもの、一時7位まで上がりさあこれから、というところでサスペンション破損。17年キャリアに敬意をこめ、最後に三ツ星をプレゼント。
☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
50周目に最速ラップ2位をマーク。これはイタリアGPの最速樹立狙い(SSニュータイヤで一発)とは意味が違う。ウイリアムズ・メルセデスのマッサを追い終盤に出し切った。ホンダPUの燃費、ERS特性など、昨年からの進歩の証しだ。メルセデスPUユーザーと最後に接戦10位、アロンソの“檄”をマクラーレンもホンダも17年につなげなければ。
☆☆☆ ルイス・ハミルトン
ここではあくまでこのレースに絞って採点。金曜から完璧なリズム、ブレーキロックも少なく、コーナーワークでも最速ラインを完璧にトレース。個人的には“16年ベスト・ハミルトン”と感じていた。しかし大独走で勝ってもタイトル勝負は負けになる。“黒い戦略”に出たのも彼の性格からして、分からなくはない。故意にゆっくり走り何かを待った「元チャンピオン」、チームからの批判など覚悟のうえの行動だったのだろう。
☆☆☆☆ フェリペ・マッサ
「おつかれさま」――ブラジルで燃え尽きたかと思いきや、250戦目を堂々と戦いきる9位。左周りコースで11勝中5勝、ここアブダビでは7戦すべて入賞。マッサは最後までマッサらしく、左周りに強かった。
☆☆☆☆ ニコ・ロズベルグ
一世一代と言えるようなオーバーテイク、20周目にフェルスタッペンをサイド・バイ・サイドで抜き去った。個人的にはあれこそタイトル制覇に値するプレーだったと思う。“守りイメージ”が強いニコ、ガチンコ勝負に弱いニコ……、そうであったら王座にはたどり着けない。攻めと守りのベストバランス、それが33人目・新チャンピオンのレーシング・キャラクターだった。
☆☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
チームとともにできる限りのことをする、第2スティントを伸ばし最後にSSに賭けた。もしタイトル決戦でなかったならば、最終ラップまでに幾度も前方ロズベルグとハミルトンに仕掛けていっただろう。異様にスローな超接近戦、しかし4冠王は自制した。ニコのためでもなくルイスのためでもなく、このスポーツの威厳を損なわないために――。
(Text:Jun Imamiya)
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9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |