ホンダがブラジルGPでPUを交換した。当初、ホンダはメキシコGPの金曜日に使用したPUを、最後の2戦で使用する予定でいた。しかし、メキシコGPの金曜日のフリー走行で使用したものをそのまま交換するのではなく、「これまで使用したことがあり、ペナルティなしでレースに投入できるプールされたストックの中から、最適な組み合わせにして、残り2戦は全力で戦えるようにした」と長谷川祐介ホンダF1総責任者は語っている。
ところが、初日のブラジルGPで、マクラーレン・ホンダはマイナートラブルに悩まされ続けた。午前中のフリー走行1回目はアロンソのサスペンションに不具合が発生。フェルナンド・アロンソは最初の40分、ピットアウトとインを繰り返さなければならなかった。
フリー走行2回目での不具合もアロンソだったが、今度はパワーユニット側の吸気系だった。
「インテークダクトが外れそうになっていたため、過給されないという症状に見舞われました」
ピットインしたアロンソのマシンは、すぐさまメカニックによってカウルが外され、外れていたインテークダクトを交換した。これにより、20分以上の時間をロスしてしまった。
しかし、それ以外は順調だった。チームメイトのストフェル・バンドーンはトラブルフリーで一日を終えている。ただ、気になるのはセッティング。というのも、フリー走行2回目の後半のロングランでは10番手のアロンソ(旧タイプ)と13番手のバンドーン(新タイプ)で異なるフロントウイングを使用していたからだ。
2台で分けて、比較テストをしていたとしたら、2日目以降に向けて有益なデータ収集となっただろうが、もしもセッティング方向が2台で異なるために違うウイングをしていたとしたら、2日目以降、どちらかのドライバーがセットアップで迷路に入り込んでしまう可能性がある。
今回のブラジルGPでは、パワーユニットよりもフロントウイングの選択が重要になるかもしれない。
(Masahiro Owari)