笑顔なきレッドブルの1-2。死闘制したベッテルがV

Sutton

　2013年F1第2戦マレーシアGPは現地時間24日に首都クアラルンプール郊外にあるセパン・インターナショナル・サーキットで56周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが今季初優勝を飾った。

　ベッテルの2戦連続ポール獲得で迎えた日曜の決勝は、スタート直前のスコールでドライとウエットが混在するダンプコンディションで幕を開けた。スタート後の急速な路面回復に合わせ5周目から首位ベッテルを皮切りに全車インターミディエイトタイヤからドライタイヤに交換する展開となったレース序盤は、上位勢で唯一ハードタイヤを選択したウエーバーが首位に立ち、2番手にベッテル、3、4番手にメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが続き、レースはこの4台がトップ争いを繰り広げることとなった。

　一方、グリッド2、3番手につけたフェラーリ勢は、スタートで2番手に浮上したフェルナンド・アロンソがベッテルとの接触でフロントウイングを破損。ピットに戻らず2周目に突入したアロンソは1コーナー手前でウイングが脱落し、コントロール不能のままグラベルにコースオフ。早々とリタイアに追い込まれると、チームメイトのフェリペ・マッサも序盤の不安定な路面コンディションに苦戦を強いられ、大きくポジションを落としてしまった。

　序盤の先頭に立ったウエーバーは、2回目のピットストップ後に一時ペースを落とすと、後続のベッテルが1秒以内に接近。さらに2台の後ろで好タイムを刻んでいたメルセデス勢にも2秒以内に迫られてしまう。しかしウエーバーはベッテルの猛追をなんとか凌ぐと、3回目のピットストップでも首位をキープすることに成功。逆に2番手を走るベッテルはピットストップの攻防でハミルトンの先行を許し、3番手に後退してしまった。

　ウエーバー、ハミルトン、ベッテル、ニコ・ロズベルグのオーダーで迎えたレース終盤。メルセデス勢のペースが緩んだところをベッテルが逆転し、レッドブルの1-2態勢で最後となる4回目のピットストップを迎えた。ここでベッテルがウエーバーとの差を一気に詰め、コースに合流するところでついにウエーバーと並んでサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込んだ。

　だが、今季初優勝を目指すレッドブルのふたりは激しいバトルに一歩も引く気配を見せず、毎コーナーでテール・トゥ・ノーズのバトルを展開。ふたりの勝負が決したのは残り10周となった46周目。ホームストレートでウエーバーのインに飛び込んだベッテルがウォールすれすれのバトルにも動じずチームメイトをロックオン、その先の4コーナーでついにウエーバーを攻略し、そのままトップで通算27回目の優勝をもぎ取った。

　これでレッドブルは1-2。3位は最後に燃料セーブの必要から2台にポジションキープが言い渡され、先にチェッカーを受けたハミルトンがチーム移籍後初の表彰台を手にした。

　フェラーリのマッサは5位。3グリッドの降格ペナルティで10番手スタートを強いられたロータスのキミ・ライコネンはチームメイトの後ろ7位でフィニッシュ。9位にセルジオ・ペレスが入ったマクラーレン勢はチェカー目前のマシントラブルで2台ともピットで終演。また、フォース・インディアの2台はピットストップでタイヤがキチンとはまらないトラブルに見舞われ、いずれもリタイアに終わった。

Sutton

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