マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、クルマは間もなく速くなり、常に予選トップ10を争うことができると確信しているようだ。
悲惨な2015年シーズンと比べれば大きく進歩したとはいえ、マクラーレンはオーストラリアGPでポイントを獲得するまでには至らなかった。しかし、ブーリエはMP4-31へ加えられるアップデートにより、上位争いに加わることができるとの考えを示した。
「クルマのペースは良かったので、とても勇気づけられた。私たちには、このあとのシーズンを戦っていくための武器もある。いくつか新パーツを用意していて、投入後はコンスタントにQ3へ進出できるようになるはずだ。常にQ3に残るようになれば、ずいぶん状況は変わってくるし、レースでもポイントを争えるだろう」
ブーリエは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンがオーストラリアでポイントを取れる可能性はあったと信じている。しかし、アロンソは大きなアクシデントで戦列を去り、バトンも赤旗提示中のタイヤ選択ミスでポイント争いから脱落した。
「あのタイヤ選択は失敗だった。(スーパーソフトは)デグラデーションが思ったよりずっと大きく、グレイニングに悩まされてペースが落ちてしまった」と、ブーリエは言う。
「ミディアムタイヤに履き替えてからは本来のペースを取り戻したが、今度はナッセに前をふさがれて、それ以上挽回することができなかった。こっちのほうがずっと速かったのに、なかなか彼のザウバーを抜けなかったんだ」
また、マクラーレンは無線通信の問題にも直面したという。もっとも、それはピットとドライバーの通信内容の制限に関係したことではなく、単純に技術的なトラブルだった。
「ちょっと頭の痛いことが起きた。ただ、それもある意味ではラッキーだった。FIAが特別な配慮をしてくれたのでね」と、ブーリエは微笑みながら語った。
「詳しいことは話せないけれど、レース中にFIAがある信号を送信したとき、私たちを含めた一部のクルマのダッシュパネルに障害が起きた。その結果、ダッシュボードに情報が表示されなくなり、特定の情報については無線でのやり取りが許可されたんだ。もちろん新ルールでは認められていないことだが、今回はピットウォールとドライバーとの間でじっくり話し合いができたよ」
(Translation:Kenji Mizugaki)