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【短期連載】マクラーレン・ホンダの栄光-MP4/5B

2014年12月17日

ドライバーラインナップも発表され、いよいよマクラーレン・ホンダ復活へカウントダウン。F1史に燦然と輝くマクラーレン・ホンダの名車を、写真とともに振り返る短期連載。

 1990年、マクラーレン・ホンダのマシンには見慣れないカーナンバー27と28が付けられていた。前年、同チームでドライバーズタイトルを獲得したアラン・プロストがフェラーリへとチャンピオンナンバーである1を持って移籍していったため、代わりにフェラーリが付けていたナンバーがマクラーレンにもたらされたというわけだ。ドライバーはアイルトン・セナと、新加入のゲルハルト・ベルガーのふたりである。

Katsuyoshi Kobayashi

 この年のマクラーレンのマシンは、MP4/5Bと名付けられていた。文字通り、前年のMP4/5からの正常進化版である。1988年のMP4/4ではアドバンテージがあったマクラーレンのシャシーだが、MP4/5がキープコンセプトだったためそのアドバンテージは薄れ、MP4/5Bではさらにその傾向が強まった。この頃のマクラーレンは、ホンダエンジンのパフォーマンスに頼り切りだったのだ。

Katsuyoshi Kobayashi

 フロントのサスペンションは、プルロッド式を継続採用。当時は既に、ほとんどのチームが最新のプッシュロッド式に改めており、この点だけでも時代遅れの感が強い。また、MP4/5Bの特徴としてよく名前の挙る通称“バットマンディフューザー”は、最大のダウンフォース値は高いものの、車高の変化によってダウンフォース量が大きく増減し、非常にピーキーなマシン特性にしてしまっていた。

Katsuyoshi Kobayashi

 この年、マクラーレンの対抗馬だったのが、プロストが移籍していったフェラーリ。セミオートマチックギヤボックスなどの電子制御デバイスで武装し、最新の空力デザインを採用したフェラーリは、シャシー性能でマクラーレンを大きく引き離していた。

Katsuyoshi Kobayashi


 ホンダが1990年用に開発したパワーユニットRA100Eは、前年のRA109Eと同じ72度V10エンジンにもかかわらず、大きく進化を遂げていた。スロットルに対するレスポンスを改善するために、スロットルバルブを従来のスライド式からバタフライ式に変更。間違いなく当時最強のパワーユニットだったが、セナは当初、このバルブ方式を気に入らなかったという。彼特有のスロットル操作方法、いわゆる“セナ足”が使えなかったためだ。

 ホンダは、サーキットごとに異なる特性のエンジンを用意し、予選用/決勝用併せて毎戦十数基のエンジンを持ち込んで、セナの要求に応えた。当時はエンジンの使用制限は存在しなかったため、年間で使われたエンジンは200基を超えていたという。今では考えられない、大物量作戦だ。それでもセナの意に添わない場合には、ペダルの動きをエンジンに伝えるカムレバーを、手作業で削ることもあったという。

Katsuyoshi Kobayashi

 パワーのマクラーレン・ホンダとマシンバランスのフェラーリ。両者のパフォーマンスは拮抗し、終盤までタイトル争いが繰り広げられることになる。もちろん、ドライバーズタイトルは、チームは異なれど、前年同様アイルトン・セナとプロストによって争われた。決着はまたも鈴鹿。スタート直後の1コーナーでセナとプロストは絡まり合うようにクラッシュし、そのままグラベルへ飛び出していった。これでセナ2度目のタイトルが決まったが、非常に後味の悪いチャンピオン決定劇(コンストラークターズタイトルも、このレースで決定)だったのは言うまでもない。

Katsuyoshi Kobayashi

 ホンダはこのレースに鈴鹿仕様の特製エンジン“鈴鹿スペシャル”を持ち込んでいた。しかし、レース時間はわずか数秒。そして翌周には同じ地点でベルガーがコースオフし、2周目にしてマクラーレン・ホンダは全滅してしまう。ピットで見ていたホンダのスタッフたちは、「あれだけやってきたのに、これで終わりか……」と嘆いたという。

Katsuyoshi Kobayashi

 3年連続のダブルタイトル獲得。当時のマクラーレン・ホンダは、まさしく最強の何に相応しいチームだった。しかし、内実はホンダエンジンの存在が大きく、ライバルに対するアドバンテージは、年々減っているのは明らかだった。そして翌年、彼らはさらに苦しめられることになる。しかもそのライバルは、フェラーリではなく別のチームだったのだ。

Katsuyoshi Kobayashi




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