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【角田裕毅F1第9戦分析】最後列スタート、1周目のピットイン。SC出動で想定ほどの順位アップはならずも好ペースで走行
2023年6月19日
F1第9戦カナダGPのスタート前のグリッドで取材をしていたら、国歌斉唱セレモニーに参加するためにドライバーたちがスタートラインへ向かって歩いてきた。そのなかで角田裕毅(アルファタウリ)は、こちらの存在に気がついたのか、筆者のカメラに向かってサムアップした。
このとき、角田はエンジニアと相談し、思い切った作戦を採っていた。それはスタート直後の1周目にピットインするというものだ。
ミディアムタイヤでスタートして、1周目に1台かわしたにも関わらず、そのままピットインしたのは、スタート直後の混乱でタイヤやマシンにダメージを負ったからではない。半乾きのダンプ状態の路面で行われた予選で16番手に沈んだものの、日曜日は雨は降らないという予報が出ていた。
しかもロングランのペースも悪くない。そこで角田とチームは後方集団のなかでレースを進めるより、義務付けられているピットストップを先に済ませて、前方に他車がいないフリーエアのなかで自分たちの本来のペースでレースを進めて、ライバル勢たちとのギャップを詰め、彼らがピットストップしている間に前に出るという作戦を採った。
ところが、この戦略は11周目にジョージ・ラッセル(メルセデス)がクラッシュして、セーフティカーが出動したことで機能しなくなる。
確かにセーフティーカーが出された直後に2ストップ勢が続々とピットインすると、角田のポジションは19番手から13番手まで上がった。しかし、それは想定していたほどのジャンプアップにはつながらなかった。
その理由は、11周目というタイミングが2ストップ勢の1回目のピットストップ・ウインドウのなかにあったからだ。セーフティカーラン中はピットストップによるロスタイムが軽減されるため、この機会を利用して、ライバル勢が続々とピットインし、角田はステイアウトしたものの、ポジションを13番手までしか上げることができなかった。
もし、セーフティカーが出ていなければ、どうなっていたのだろうか。ジル・ビルヌーブ・サーキットでの通常のピットストップによるロスタイムは約21秒。10周目時点で角田の21秒前方には6番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がいた。ピアストリまでの12人のなかでセーフティカーが出てもピットインせずにステイアウトしたのはフェラーリの2台とセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、そしてケビン・マグヌッセン(ハース)の4台。
つまり、うまく行けば、トップ5(マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコン、オスカー・ピアストリ)と、ステイアウトした4人の直後となる10番手までポジションを上げることができたはずだった。
しかし、今年のカナダGPでの最大の敗因は、ピットストップ作戦ではない。
テクニカルディレクターのジョディ・エギントンはこう振り返る。
「レースペースはよかったから、もっと上位からスタートしていれば、オーソドックスな作戦でも、十分ポイントを獲得できた」
レースは日曜日だけで争うのではない。週末を通して、しっかりと戦うことが今後の浮上するための鍵となるだろう。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 219 |
2位 | ランド・ノリス | 150 |
3位 | シャルル・ルクレール | 148 |
4位 | カルロス・サインツ | 116 |
5位 | セルジオ・ペレス | 111 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 87 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 81 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 70 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 330 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 270 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 237 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 151 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 8 |
8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |