木曜日に開かれたニュルブルクリンクでのプレスカンファレンスで、ラルフ・シューマッハーはアロンソとのアクシデントについて再び、非はアロンソにあると繰り返すと共に、来年以降のF1残留について自信の程を語った。
ラルフは、モナコGPでアロンソが起こしたトンネル出口手前でのクラッシュについて終始無実を訴えてきた。木曜日のプレスカンファレンスで再びクラッシュについて尋ねられると、ラルフは非はアロンソにあるという見解を繰り返した。
「モナコでも言ったとおり、アロンソは気の毒だった。しかし、あれは僕のミスではない。明らかに彼のミスだ。従って、僕に非難の言葉が飛んできても真剣には受け取らなかった。彼には彼の考えがある。それはわかる。彼は自分のアクシデントについて何とかして説明をつけたいと思っていたんだ。確かに、3位を逃すのは残念なことだが、僕のせいではない」
「アクシデントを振り返ってみると、(外のラインの)路面がかなり汚れていたようだ。タイヤかすがたくさん散らばっていた。いささか不運だったとしか言いようがない。しかし、このことについてはチームがすでにアナウンスしている。アロンソはリタイアの前の周と比べて15km/h、いや20km/h近くスピードが落ちていたしね。僕には、アクシデントを巡る質問について説明する必要はもうないと思っている」
プレスカンファレンスに同席していた兄ミハエルも、トンネル内でラインを外れるのは致命的だというラルフの意見を後押しした。
「みんな知っていることだと思うし、知っているはずだと思うが、あそこでラインを外れたら、とても汚くトリッキーな路面の上を走ることになる」とミハエル。「アクセルを全開にするのは簡単だが、進むべきラインには余裕がない。あの時、アロンソには内側に寄るスペースが十分にあった。ラルフはバリアの方に向かって大きく動いていたからね。アロンソにはラルフとの間に空いた広いスペースを利用することができたはずさ」
とはいえ、アロンソにもラルフにもお咎めがなかった上、ラルフもレース中にトップギアを失い、周回遅れになりながらラップを重ねて結局リタイアすることになり、2人はおあいこといった感なきしにもあらずという結果となった。しかし、ラルフはこのリタイアによって、もやもやした気分の中で2005年以降の進路を考えるはめになりそうだ。
ここ数カ月、ウイリアムズとの関係がギクシャクしているラルフを巡って先日、莫大な移籍金と共にトヨタに移るのではないかというウワサが流れ出した。しかし、ラルフは詳しいことについて何も語らなかった。
「僕が移籍するだって? まだ何も決まってはいないよ」とラルフ。「まだ話し合いを続けている段階だ。ウイリアムズがどのような処遇を考えているのか、回答を待ちながらね。それがはっきりした後でないと来年以降のことは決まらない。いずれにせよ、F1には残っているはずさ。従って、どのようなことになろうと問題はない。しかし、今のところ、どのチームでドライブするのかははっきりしていない。一番いいポジションの獲得に努めていく」
パトリック・ヘッドに代わり、友人であるサム・マイケルがテクニカル・ディレクターに就任したことで、ウイリアムズ残留に気持ちが傾いているかと尋ねられると、ラルフは冷めた調子で次のようにコメントした。
「チームにとって、かなりプラスとなるに違いない。彼ならやってくれると思う。だが、そのことと僕の将来に何か関係があるかと尋ねられれば、いまのところはわからないね。少し時間を置かなきゃね。とにかく、今後の進路について早く決めたいと思っている。いま言えることといえば、それだけさ」