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2013年の真の王者はロータス?:F1マネー検証

2014年1月16日

LAT

『安物買いの銭失い』とはよく言ったものだが、ことF1においては必ずしもそうとは言い切れない。費用を注ぎ込んだ分だけ良い結果がついてくる、というわけにはいかないのだ。2013年のチャンピオンシップがそれを証明している。イタリア人ジャーナリスト、パオロ・チッカローネが、昨年のF1各チームの予算を検証。F1マネー王者を導き出した。

最大経費はメルセデス、コスパ高はロータス

 レッドブルがメルセデスやフェラーリに快勝したのは、他チーム以上に資金を注ぎ込んだ賜物なのか? ちょっとした計算をしてみると、なかなか面白い答えが現れた。

 年間予算2億8、000万ユーロ(約398億円)のレッドブルは、596ポイントを獲得している。支出を獲得ポイント数で割ると、このチームの場合、1ポイント取るために約47万ユーロ(約7、000万円)使った計算になるわけだ。

 一方チャンピオンシップを2位で終えたメルセデスは、今季の最高額2億9、000万ユーロ(約412億円)の経費をかけて360ポイントを得たので、1ポイントあたり平均約81万ユーロ(約1億2、000万円)、何とレッドブルの倍近くかかったことになる。

 フェラーリはといえば、2億4、000万ユーロ(341億円)で354ポイントを獲得、1ポイント平均68万ユーロ(約1億円)の計算だ。要するに、フェラーリはコース上ではメルセデスに敗北を喫するも、コストパフォーマンスの面においては勝っていたわけだ。

 とはいえ、この法則に従うと、経済面における真のワールドチャンピオンはロータスだろう。予算1億4、000万ユーロ(約199億円)、獲得ポイント315点、1ポイントあたり44万ユーロ(約6、000万円)という結果でレッドブルをも上回っている。

 3位はフェラーリ、4位がメルセデスと続くのだが、無惨な結果に終わったのがマクラーレンだ。2億2、000万ユーロ(約313億円)の予算を使って獲得したのが122ポイント、1ポイントに何と180万ユーロ(約2億6、000万円)もかかってしまったのだ!

 予算ランキング中位以下のチームも、フォース・インディアが1ポイントあたり130万ユーロ(約1億8、000万円)、ザウバーは158万ユーロ(約2億2、000万円)、トロロッソでは352万ユーロ(約5億円)という結果になっている。 だが、驚くのはまだ早い。今季5ポイントにとどまったウイリアムズは、1ポイントにつきなんとと2、400万ユーロ(約34億円)も使ってしまい、ノーポイントに終わったマルシャとケータハムに至っては、各々6、500万ユーロ(約92億円)、6、100万ユーロ(約87億円)という金額が単なる参加費として消えてしまったのだから。


F1に大金をつぎ込む理由

 これだけの支出をしながらもF1で走るのはなぜなのか、その理由は様々だ。

 例えば、レッドブルのエナジードリンクは、世界中ほとんどの国で売られている。そしてF1のイメージは良い宣伝となり、アメリカだけを取っても(数年前のデータだが)1缶当たり0.3ユーロのマージンで10億缶を上回る売上げをあげている。つまり、アメリカ市場だけで3億ユーロもの収入が保証されているわけだ。

 他チームについても世界規模で見てみよう。メルセデスやフェラーリにとってF1のイメージが市販車の売上げに繋がるなら、ロータスではどうだろうか。このチームのマネジメントは今のところルクセンブルクの投資会社が握っているので、ターゲットは経済投資部門となるだろう。

 フォース・インディアについては、キングフィッシャー航空および同名のビール製造会社などにより富を築いた富豪ビジェイ・マルヤの道楽とでも言おうか。

 ウイリアムズは、先進テクノロジーを英国政府に提供している(道路状況のコントロールシステム、病院の維持システム、先端技術等)。

 マクラーレンも同様に、GT車両に関わる事業に加えて、ロンドン ヒースロー空港第5ターミナルにおいて運航や駐機を管理するソフトウェアのオペレーション運営を担っている。さらには英国厚生省と共同で医療機器の遠隔システムを供給しているのだが、これはF1で使用しているテレメトリーと同じものである。

 マルシャにはロシアマネーがあり、ケータハムを所有するマレーシア人富豪は、メジャーな格安航空会社エアアジアを所有している。

マルシャは0点でも損失なし

 さらに、賞金もチームの財源にとっては重要な要素だ。

 レッドブルは、コンストラクターズチャンピオン獲得賞金の7、500万ユーロ(約107億円)に加え5、500万ユーロ(約78億円)のボーナスを得た。スポンサー(2、000万ユーロ出資のインフィニティをはじめ、GEOX等々)からの資金と合わせれば、年間経費の2億8、000万ユーロは痛くもない数字、むしろまだまだ余裕を残していると言ってもいいだろう。

 フェラーリについても選手権3位獲得により6、000万ユーロ(約85億円)以上を稼ぎ、さらに参戦年数に応じた報奨金(約7、500万ユーロ=約107億円)、商品販売やその他収益、スポンサーからの自動融資等々により2億4、000万ユーロの年間経費は完全にカバーされている。

 賞金獲得ランキングにおいて最下位のマルシャは(11位のケータハムは賞金ゼロだったので対象外として)、2、000万ユーロ(約28億円)の賞金に加えて、マックス・チルトン持ち込みの1、500万ユーロ(約21億円)とジュール・ビアンキのスポンサーからの収入を得た。経費6、500万ユーロ(約92億円)に対し、5、000万ユーロ(約71億円)の収入を得たロシア企業は、実質上ほとんど出費がなかったと言ってもいいだろう。

 12チームまでという狭き門であるF1参戦への野望が、これら賞金や経費等に見られる経済活動を通して見えてくる。
 今のところ参戦しているのは11チーム、その全てが来年も残っている保証はない。見返りこそあれ、気軽に参加できるゲームではないのだ。




レース

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