現在インディカーで大人気のダニカ・パトリックは、もしF1への移籍を考えるとすれば、トップチームの誘いがあったときだけだ、と述べた。
今話題の女性ドライバー、ダニカは視聴率が低下しているF1にとって救世主になるのではないかと見られている。バーニー・エクレストンが、必要なら彼女にシートを見つける手助けをするとも言われているのだ。しかしダニカ自身は、インディ・レーシング・リーグに満足しているといい、当面はレイホール・レターマン・レーシングにとどまりたいと述べている。
「私は自分のいる場所にとても満足している」と、今週末のF1レースのためにインディアナポリスを再び訪れたダニカは、記者会見で語った。「今のところは、IRLでドライブすることに満足なの。これは才能ある人がものすごく大勢いる、素晴らしいチャンピオンシップだと思うから。それに、アメリカ合衆国が大好きだし、家族や友人たちのそばにいるのが嬉しいの」
「だけど私は何についてもノーと言うつもりはない。F1にもノーとは言わないし、NASCARにもノーとは言わないわ。そうしないのは、あらゆる可能性を保持しておく必要があるから。でも、すべてをよく検討する必要はあるけれどね。今IRLでトップチームで走っているように、そこに行ってもトップチームで走れることがはっきりしている必要がある。私が幸せなのは物事がうまくいっているときだけだから、自分の幸せは自分でなんとかしなくちゃね!」
ダニカは、修業時代にはイギリスでレースをしていた。アメリカとトヨタ・アトランティックへの道が開ける前には、彼女はF1を目指すために、イギリスで走ることを選んだのだった。
「私はイギリスにレースをしに行って3年間過ごしたけど、当時は何が何でもF1でレースをしたいと思っていた。私はF1を追いかけて、F1のことなら何でも知っていた。インディカーからは離れてたけど、時がたつにつれて、幸せになって成功して、望む場所に行けるような方法がほかにもあることがわかったの。今、私はここにいられて嬉しいわ。ここにいるのが好きで、とても楽しい。ここはホームなのよ」
“フェラーリ”という言葉が、自分にとって何を意味するかと聞かれたダニカは、まず「私には今は買えないクルマよ!」と答えた。しかしその後で、もしF1へ行くとすれば、フェラーリが考慮したいチームのひとつであることを認めた。
「もし声をかけられたらどうしようかと、真剣に考えたくなるチームのひとつ。とてもコンペティティブなトップチームだし、間違いなく全力で戦っているチームだわ。でも、だからといって、こっちから頼んで呼んでもらうわけにはいかないし、お金を払って行くこともできない。呼んでもらえるとしたら、自分の実力でそうなるしかない」
「F1の誰かからお呼びがかかったら、よくよく考える必要があると思う。だって、F1なんですから。F1は世界最高のドライバーが集まる、レースの最高峰と見なされている。でも、はっきり言っておきたいけど、私はインディカーで、やはりすごいドライバーたちを相手にレースをしているの。イギリスやヨーロッパなどから来た人たちもいる。だから、声がかかったときに、よくよく考えることになるでしょうね!」
「でも、誰も私に話を持ちかけた人はいない。直接にはね。実際のところ、誰も呼んでくれてはいないと思う」
「でも、予定はないの。さっきも言ったとおり、私は今いる場所にとても満足している。機会は来るときには来るものだし、そのときになったら考えるわ。何事についても、予定は決まっているとは言えない。私が成功すれば、物事は自然に進んでいくものよ。人々に必要とされたら、自分が一番幸せになれるような決断が可能になるでしょう」