NASCARで活躍するジェフ・ゴードンは、F1入りの可能性について聞かれ続けているが、その可能性があることを認めつつも、自分の将来はストックカーと共にあると考えている。
NASCAR・ウィンストンカップで4度チャンピオンを獲得しているゴードンが、SPEEDチャンネルのWind Tunnel with Dave Despainという番組で語ったところによると、彼は最近バルセロナのスペインGPを訪れた際に、複数のチームから話し合いに招かれたという。しかしながら、予想外の注目を集めたにもかかわらず、彼はまだ、そのオファーが相応しいときに来ているのかどうか確信が持てずにいる。
「僕は、自分の最盛期にF1に行くべきなのかどうか分からないけれど、確かに今、いいシートを得られる位置にいるようだ」と、ゴードンは語った。「これは予想もしていなかったことだよ。あそこを訪れたとき、人々がしょっちゅう僕を脇へ連れていって話を聞こうとしたのは面白かった。すごい経験だったし、とても楽しかったけれど、僕は今いる場所にとても満足しているよ」
ヘンドリック・モータースポーツでドライブしているゴードンは、去年のアメリカGP前に、テレビの企画で、ウイリアムズBMWのファン−パブロ・モントーヤとマシン交換をして以来、F1への転向説が取り沙汰されている。オープンホイールのマシンの経験があまりないにもかかわらず、ゴードンはたちまちF1マシンに適応してみせて、モントーヤを驚かせた。ゴードン自身も、その日の経験によって自分の目が開かれたことを認めている。
「僕はF1レースが好きだよ――あれは素晴らしいと思う」と、ゴードンはうち明けた。「去年実際にマシンをドライブしていなかったら、どれほど魅力的なものか知らずにいただろうね。あのマシンをドライブするのがどんなものか実感できた。素晴らしい経験だよ」
「だけど、あっち(ヨーロッパ)へ移るには、かなりの覚悟が必要なことも確かだ。それに僕は、自分が今いる場所に、すごく責任を感じている。契約の問題じゃないんだ――そこにいる人たちのことなんだ。自分がそこにいるからこそ、彼らはそこにいてくれるんだし、スポンサーもそこにいてくれる。だから、そこに責任を感じるんだ。その種の責任が問題なんだよ」
しかし、番組の司会者であるデスペインが、予見しうる将来にF1入りするかどうか、はっきり答えてほしいと促したところ、ゴードンは慎重な答え方をした。「それはないと思っている」というのが、ゴードンの謎めかした答えだった。
タラデガでのレースで優勝したゴードンは、ヘンドリックチームの同僚ジミー・ジョンソンと共に、バルセロナでマクラーレンチームのゲストとなっていたが、その週末、ほかのいくつかのチームからも歓迎を受けた。