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F1名ドライバー列伝(7)ファン・パブロ・モントーヤ:デビュー3戦目でシューマッハーに競り勝った南アメリカのスター
2020年6月29日
2020年はF1世界選手権にとって70周年にあたる。その歴史のなかで、33人のワールドチャンピオン、108人のグランプリウイナーが誕生、数々の偉大なるドライバーたちが興奮と感動をもたらしてきた。この企画では、英国ジャーナリストのChris Medlandが何人かの名ドライバーを紹介、彼らが強い印象を刻んだ瞬間を振り返る。
今回紹介するのは、1999年CARTチャンピオンで、2001年から2006年途中までF1に参戦したファン・パブロ・モントーヤ。コロンビア出身で1995年からヨーロッパで活動、ウイリアムズF1のテストドライバー契約を結んだ後、レースシートを得られないままCARTに参戦、ルーキーイヤーにタイトルを獲得した。翌2000年にはインディ500でも優勝している。2001年からウイリアムズF1レギュラードライバーとなり、この年に初優勝。2004年までウイリアムズで過ごし、マクラーレンに移籍。しかし2006年第10戦アメリカGPを最後に同チームを離れ、アメリカでのレースに復帰した。F1では優勝7回、ポールポジション13回を獲得、ランキング最高位は3位だった。
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2001年当時、すでにミハエル・シューマッハーはF1で最強と呼ばれる存在だった。フェラーリでF1タイトルを獲得するのに、加入してから5年かかったものの、7年連続でチャンピオン候補として戦い、1994年、1995年、2000年にタイトルを獲得した。
2001年最初のオーストラリアGPとマレーシアGPで優勝し、6戦連続でポール・トゥ・ウインを達成。このシーズンを制するのはシューマッハーだろうとの予想がシーズン序盤から広まるほどの圧倒的な強さだった。
しかしF1では時に思いがけないシーンが見られることがある。そのひとつが2001年のブラジルGPでの出来事だ。
ファン・パブロ・モントーヤはウイリアムズとのテストドライバー契約を結んだ後、1999年にはCART選手権をルーキーイヤーで制すという快挙を成し遂げ、国際モータースポーツの舞台で存在感を示した。翌年はインディ500に初挑戦で優勝、大きな評判を呼んだ後、F1に転向した。
しかしながらF1は他とは異なる特殊な場所だ。モントーヤがアメリカで大きな成果を上げたことに、F1界の人々はほとんど関心を示さなかった。最初の2戦はリタイアに終わり、アメリカのレース界でベストドライバーでもF1の基準には届かない、という彼らの認識をF1界の人々は強めていた。
そういうわけで第3戦ブラジルに到着した時点でモントーヤへの注目はさほど大きくなかった。予選でポールポジションを獲得したのは、またもやミハエル・シューマッハー。モントーヤはチームメイトのラルフ・シューマッハーと0.1秒以内の差だったものの、予選4番手にとどまった。
決勝でシグナルが消えた瞬間、ポールのミハエル・シューマッハーはきれいにスタートしていったが、ラルフ・シューマッハーは出遅れ、3番グリッドのミカ・ハッキネンはストールしてしまった。そのためモントーヤは2番手に躍り出た。ハッキネンのマクラーレンを動かすためにセーフティカーが出動、すぐにリスタートが行われることとなった。
ここでモントーヤのアメリカンレーシングでの経験が生かされた。彼はローリングスタートに慣れており、さらにインテルラゴスではフィニッシュラインまでの距離が長く、スリップストリームを効果的に利用することができた。
リスタートで全車がラインを越えた時、シューマッハーにはアドバンテージがあり、後ろからの脅威はなさそうにみえた。モントーヤのスタートはうまくいったが、シューマッハーに特に近づいたわけではなかったのだ。そのため、彼が1コーナーでシューマッハーのイン側に飛び込んだ時、シューマッハー自身もレースを見ていた人々も驚いた。
モントーヤは無謀な動きをしたわけではない。シューマッハーのブレーキングが早いと感じたモントーヤは、自分の方がタイヤとブレーキに良い感触を持っていると踏んで、行動を起こしたのだ。エイペックスでフェラーリに並んだ際にロックアップしたものの、うまくマシンをコントロールし、モントーヤはコーナー出口でシューマッハーの前に出た。
シューマッハーはコース上でアグレッシブな動きをすることで知られるドライバーだが、モントーヤは彼に反応の余地を残さなかった。そのため、シューマッハーは2番手へとポジションを落とさざるを得なかった。
シューマッハー相手に強力なアクションを取ったモントーヤに、ファンは大きな衝撃を受けた。それをやってのけたのはデビューしたてのルーキーだったのだ。
モントーヤのアクションは、ただのオーバーテイク以上のものとして受け取られた。F1に恐ろしい才能の持ち主が現れた。現役最強の相手にも臆さず立ち向かっていく若者だ。モントーヤが、1997年以来成功から遠ざかっている名門ウイリアムズに勝利をもたらすかもしれないという点も、人々の興奮に拍車をかけた。
モントーヤはシューマッハーをオーバーテイクしただけでなく、王者をしっかりと抑えきり、ギャップを築き、ウイリアムズに4年ぶりの勝利をプレゼントする一歩手前まで行った。アロウズに乗る周回遅れのヨス・フェルスタッペンにヒットされなければ、モントーヤが優勝していただろう。
結果的にモントーヤのリザルトはリタイアということになったが、その時のF1ファン、特に現地ブラジルのファンにとって、結果などどちらでもよかった。ベストドライバーに挑戦する力を持ったドライバーが南アメリカから輩出された。モントーヤは本物だ、と彼らは確信したのだった。
(Text:Chris Medland)
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7/5(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
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7/6(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
7/7(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |