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【インタビュー:ピエール・ガスリー】充実したオフと序盤展望「3連戦は体力的に堪える。スタッフは2カ月家族と会えない」

2020年6月28日

 レッドブルとともに、ホンダの2チーム目のワークスチームとして中団勢での上位、チームランキング4位を目指すアルファタウリ(昨年までのトロロッソ)。昨年シーズン中、レッドブルからトロロッソに実質、降格移籍することになり、悔しい思いをしたピエール・ガスリーが開幕まで約1週間となったF1シーズンを前にインタビューに答えた。


  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


──まずはあなた、そしてご家族の体調はいかがですか?


「僕は大丈夫だよ。3月のオーストラリアGPがキャンセルになった後、他のグランプリもキャンセルになってレースができない環境だったからとても奇妙な時間だったよ。(母国フランスの)ロックダウンもあったし、誰もこうなることは想定していなかったよね。とても不思議な感じだったけど、このロックダウンを機にトレーニングに集中することができた。シーズン再開に備えてコーチのメニューでトレーニングを行い、準備をしたんだ。そして、僕の家族や親しい人たちがみんな健康で非常にラッキーだよ」


──ロックダウンを含めたレースができなかった3か月、あなたは良いかたちで時間を過ごせたのですね。


「レースがないから良いとは言えないね。サーキットのあの雰囲気が恋しいし、F1が恋しい。そしてレース自体がなくて寂しかったよ。だけどこの3カ月は、すごく不思議な感じだったよ。通常は同じ場所に5日間以上はいないし、同じベッドで5日間以上は寝ることはないんだ。それを家で過ごすことができて、すごく楽しめたよ。この期間で自分自身を見つめ直すことができたし、自分のために、そして普段はできないけど家族のために時間を過ごすことに専念した。だからこの期間はとてもいい時間だったと言えるけど、同時に何もできない寂しさもあったよね」


──ニュースで見ましたが、あなたはチャールズ(ルクレール)とルイス(ハミルトン)でコール・オブ・デューティー(戦場をベースとしたオンライン対戦型シュミレーションゲーム)をしていたようですが、いかがでしたか?


「楽しかったよ。プレイステーションや他のゲームをやっていた時期があって、その時に同じゲームをみんなでしていたから、それをきっかけに一緒にプレイしたんだ。何回か一緒にプレイしたけど楽しかった。こういう時にドライバーたちとつながりをもてたのはとてもよかった。レース界はすごく小さいコミュニティだし、それに加えて彼らは昔から知ってる仲だから一緒にできて楽しかった」


──7月から F1が最初の8戦を発表しましたが、率直な感想を教えてください。


「すごくうれしいよ。さっきも言ったけど、やっとコースに戻ってレースができるからね。スケジュールが発表された時はすごくうれしかったよ。これを実現するために全F1関係者が懸命に話し合って交渉してくれた。いろいろな制限などがあって簡単ではないけど、何とかここまで進めてくれた。10週で8レースになるから強行日程でとても忙しくて大変だけど、準備はできているし、楽しみだ」


──開幕から3週連続開催、そして1週休みのあとにレースが続くけどこのスケジュールは大変ですよね。


「これはみんなにとって大変だと思う。ドライバーは2週連続開催の時でも身体は結構、堪える。かなりのエネルギーを消費するし、精神的にもきつい。3週連続は2年前にもあったけど、3つ目のレースを終えた後はすごく疲れたし、その後は12〜13時間くらいは睡眠を取らないと回復しないくらいきついんだ。だから身体の調整は大変だと思う。それに耐えるためのトレーニングをここ数か月してきて仕上げてきた。だけど、メカニックやエンジニアたちは開幕してからは家族たちと2か月くらいはずっと会えないから、彼らにとってはすごく大変だと思う」


──開幕戦から家族たちの同行は許されているのでしょうか?


「おそらく現段階ではダメだと思う。レースにゲストを招き入れることはできないと思うね」


──あなたは2017年にスーパーフォーミュラで走っていました。スーパーフォーミュラでは無限ホンダ所属でしたが、現在はアルファタウリ・ホンダ所属です。つまり長い間、ホンダのスタッフと仕事をしています。改めて日本人スタッフと仕事をして、苦労した経験、意見が合わないとか、考え方が違うといった経験があったら教えて下さい。


「特にそういうことはないよ。いつもやりやすかった。スーパーフォーミュラに参戦した時、文化が違うことやコミュニケーションの仕方が違うことは分かっていた。だから、適応しようと思った。でも、それは当たり前のことだと思う。見知らぬ国へ来た時は、その国のやり方や文化を尊重する必要があるからね。僕はそのプロセスを楽しんだよ」


「たしかに、日本の文化や仕事のやり方を理解したり、エンジニアの考え方が十分に分かるまでは時間がかかった。でも、2〜3レース後には、よく理解できるようになって、すべてがやりやすくなった。日本人スタッフと仕事をするのは楽しかったよ。彼らは献身的で仕事熱心だからね。トップのレベルを目指すのであれば、そういう気質の人たちが周りにいることは重要だ。だから、いつも楽しかったよ」


──素晴らしいですね。昨年のことを振り返ってになりますが、レッドブル・ホンダに所属していたときはあまりうまくいっていない時期がありました。しかし、トロロッソに戻ってから、再び調子が上向きました。特にブラジルGP(2位表彰台)は見事でしたが、シーズンを通して集中力を保つのは大変だったのではないですか?


「昨年は僕にとって大きなチャレンジだったよ。レッドブルのチーム内での決定によって、トロロッソに移ることになった。個人的にも、あまりいい時間を過ごせていなかった。ベルギーGPの前に起きたこと(チーム移籍)の他にも、いろいろなことがあって、精神的に不安定だった。シーズンを通して、感情の浮き沈みが激しかったね」


「でも、感情の部分は二の次で、僕は自分が追い求めるもののために戦って、常に限界まで自分を追い込むタイプなんだ。それに、トロロッソは自分に必要な環境がそろっていると分かっていた。自分がやるべきことに集中して、毎週末、最高のパフォーマンスを見せられるようにする。ただ、ブラジルGPでハミルトンに先着して2位になれるとは思っていなかったよ。僕らが予想していた結果をはるかに上回るものだったね。いろいろあったシーズンを最高の形で締めくくることができたと思う」


──日本のファンにとって残念なことに、今年はドライバーの中でも人気のある日本GPが中止になってしまいました。


「そのニュースを聞いた時はすごく悲しかった。日本GPは僕にとってはすごく重要なイベントだからね。日本に行くことを楽しみにしていたし、東京でホンダの社員たちとの触れ合いや鈴鹿に行くのがとても楽しだった。僕のキャリアを振り返っても日本は本当に特別なんだ。今年、鈴鹿でファンの熱気や応援を聞けないのは残念だけど、安全面を考慮すると仕方がないのかもしれない。何よりも大事なのはみんなが健康でいることだからね。状況がよくなったら今年のどこかで日本に戻りたいと思ってるよ」


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 昨年のF1日本GPではその無限チームのスタッフたちが鈴鹿のパドックを訪れ、温かく向かい入れたガスリー。かつてのチームメイト、山本尚貴のF1走行の際にも山本と真摯にコミュニケーションを取っていたことからも、そしてこのインタビュー内容からも誠実なキャラクターはそのまま変わっていないようだ。


 メルセデス、レッドブル、フェラーリに次ぐ4番目のポジションを獲得したい今年のアルファタウリ・ホンダ。当面のライバルチームはレーシングポイントとなりそうだが、ガスリーにとってはチームメイトのダニール・クビアトにも当然、先着しなければならない。もう一度レッドブルのシートを取り戻すためには、普通の活躍だけでは物足りない。今年のガスリーは昨年ハミルトンと戦って2位を守ったブラジルGPのように、非の打ちどころのない輝きを何度見せることができるだろうか。


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2019年F1第20戦ブラジルGP ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)

2019日本GP鈴鹿F1山本尚貴初ドライブ
2017年のスーパーフォーミュラでのチームメイトであったガスリーとF1でも同チームになった山本尚貴


2020年F1第2回バルセロナテスト2日目 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


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(DAZN/autosport web)




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