☆☆☆ ジェンソン・バトン
ここで勝利はなくとも3位3回、すべて完走しているバトン。セクター1高速コーナー、セクター3低速コーナー、どちらにも合わせこむ。予選12位は、セクター3で8位タイムをマークしたから。ボッタスを抑えきる12位は久々のマッチレース、燃費が相当厳しかったことはラップタイム推移からも容易に想像できる。
☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
最速ラップ3位、これはレース中の“予選テスト”を彼が求めたからだ。スーパーソフトを47周目に装着。50〜51周目を2分オーバーでウォームアップ(チャージラップ)にあて、52周目に1分44秒796。燃料残量は少なく、マシンは軽い状態、ちなみに予選は1分43秒187だ。こういうことをやってみようと進言するモチベーションに頭が下がる。惨憺たる1年の大締めアタック、やらずに年は越せない!
☆☆☆☆ セルジオ・ペレス
衝撃の金曜FP2、自己ベストタイムをそろえた3位は決してフロックではない。かなりダウンフォースを削ってストレートタイムを稼ぎ、セクター3低速エリアで繊細なスライド・コントロール。意志にぴったり反応するセットアップを決めきって、今季ベストの予選4位。いつものレース重視策と異なり予選で冒険し、ビッグチームに挑む方針をとったのだろう。チーム史上最高ランク5位、決定済みだからできる。結果としてタイヤ性能劣化による5位も「冒険の証」だ。
☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
いまさらミスを責めてもしょうがない。覆水盆に返らず。イタリアでも「こぼれたミルクを嘆いても無駄だ」と言う。予選Q1最後のアタックを中断、15番グリッドに落ちたベッテルは悔やむことなく前だけを向き、ソフト→ソフト→スーパーソフトとつなぎ、4位へ。ベストレースではなくても、次善の挽回戦を貫き、チーム全員の心を引き締めた意味は大きい。ますます赤に染まるセバスチャン、もし1年前、決断せずにレッドブルに残留していたら、いまごろは……。