【F1第2戦予選の要点】2戦連続のQ1敗退。ローソンの不振は許容範囲を超えたか
2025年3月22日
リアム・ローソン(レッドブル)の不振が止まらない。
レッドブル昇格後の初戦となった前戦オーストラリアGPは、予選18番手。ピットレーンからスタートした決勝レースはクラッシュを喫し、リタイアに終わった。それでもこのレースでは、全20人中アルバートパーク未経験者がローソンだけだったこと、そして初日にパワーユニット(PU)トラブルで満足に周回できなかったこともあって、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、「今回は運が味方してくれなかった」と、ローソンの擁護に回った。
ローソン自身、雪辱を誓って中国にやってきた。しかしこの週末、少なくとも予選までを見る限り、開幕戦よりも状態は悪化している。初日に行われた唯一のフリー走行は18番手、続くスプリント予選では最下位の20番手だった。二日目のスプリントは19番グリッドからなんとか14位まで順位を上げたものの、午後の予選は最下位の20番手でまたもQ1落ち。これで開幕2戦で行われた3回の予選を、すべてQ1/SQ1落ちしたことになる。
ローソンにとって上海インターナショナル・サーキットは初体験だが、今回はほかの5人のルーキーも条件は同じだった。それでもアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)はQ3に進む適応力を見せ、しかもハジャーはチームメイトの角田裕毅(レーシングブルズ)を凌いで、7番グリッドを獲得してみせた。
確かにレッドブルの2025年型マシン『RB21』は、去年の『RB20』以上に乗りにくそうだ。しかもタイヤのデグラデーション(性能劣化)もかなり大きいようで、フリー走行ではフェルスタッペンもトップのランド・ノリス(マクラーレン)から1.780秒落ちの16番手が精一杯だった。
それでもその後はフェルスタッペンも文句を言いながらも、きっちり上位の座をキープ。スプリント予選はフロントロウ2番手を獲得し、スプリントは3位入賞。予選も4番手に入ってみせた。しかしローソンは、そんなチームメイトからコンスタントに0.5〜0.8秒遅い。
ローソンにとってF1デビュー戦となった2023年の雨のオランダGPでの速さ、その後の安定したレース運び、そして全日本スーパーフォーミュラ選手権でもタイトルを争った実力を見る限り、速さも適応力も決して劣っているとは思えない。それほどレッドブルRB21が運転しにくく、それに加えてフェルスタッペンのチームメイトであることのプレッシャー、レッドブル抜擢の経緯が不透明という批判を跳ね返そうという焦りが、ローソンをここまで苦しめているということだろうか。
もしこの状態が続くようだとローソンだけでなく、彼の抜擢を決めたホーナー代表への風当たりも当然ながら強くなる。コンストラクターズタイトル奪還の可能性がますます低くなっていくだけでなく、孤立無縁の戦いを強いられるフェルスタッペンのレッドブルへの不信感はいっそう大きくなっていくだろう。
それでもチーム上層部は、「少なくとも4、5戦は様子を見たい」という姿勢だ。第3戦日本GPからの3連戦は、いずれもローソンには走り慣れたサーキットでの戦いになる。言い換えればここで顕著な改善が見られないと、早い段階での“交代”も十分ありうるだろう。



(Text:Kunio Shibata)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 99 |
2位 | ランド・ノリス | 89 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 87 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 73 |
5位 | シャルル・ルクレール | 47 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 38 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 31 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 20 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 188 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 111 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 89 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 78 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 25 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

