F1技術解説:第9戦(2)ポーパシングへのFIA介入に反発するレッドブルとフェラーリ。物議を醸したメルセデスのステー
2022年6月28日
2022年F1第9戦スペインGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「予想外の資質を発揮し、フェラーリを破ったレッドブルRB18」に続く今回は、新世代F1マシン導入に伴い浮上した問題ポーパシングを解決すべくFIAが発表した技術指令書についてのチーム側の反応をまとめた。
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開幕当初から大きな問題となっていたポーパシング(激しい縦揺れ現象)について、今回新たな展開があった。ドライバーの健康を守るため、FIAは走行中の振動を制限することを目的とした技術指令(TD039)を発表した。これにより、フロアに取り付けられたスキッドプレートの摩耗が激しい場合や、測定された垂直方向の加速度が高すぎる場合、チームは車高を上げざるを得なくなった。
しかしこれにはドライバーやチーム代表らから、批判も多く出た。さらに今回の技術指令発動に関しては、メルセデスがFIAに熱心に働きかけたと反対派から疑われもした。しかし皮肉なことに、このままではメルセデスが望んでいたような変更にはなりそうにない。
W13はF1マシンの中でも特に跳ねやすいマシンだ。跳ねる現象には主に2種類がある。空力による直線での跳ね上がりである「ポーパシング」と、サスペンションが固すぎてバンピーなコースのバンプを吸収できないことによる揺れである「ボトムアウト」である。
このままではメルセデスのエンジニアは確実に車高を上げなければならず、競争力が落ちてしまうだろう。
一方、振動の問題に早くから対策を施し、今回の件で大勝利を収めたはずのレッドブルも、FIAの今回の対応には納得していないようだ。
「安全性がFIAの最大の関心事であることは理解できるが、レース週末の直前に何の相談もなくこのような技術指令を出すのは、正しいやり方ではない」と、クリスチャン・ホーナー代表は批判している。
「レース直前に、リヤサスペンションの高さやセットアップを変更する権利をFIAに与えることは危険だ。もしグランプリ中に風が変わったらどうなるか? 車高を上げた後、何らかの原因で、さらに振動がひどくなったとしたら、どう対策するのだろう」
フェラーリは、F1-75にかなり縦揺れ現象が見られるにもかかわらず、競争力には大きな影響がないという。当然、今回のFIAのやり方には批判的だ。
「そもそも技術指令書は規則を明確にし、その正しい適用を監視するものであり、規則を変更するものではない。ガバナンスの問題と言うことだ」と、マッティア・ビノット代表は言う。
最終的には、縦揺れの閾値計算式が複雑すぎるため、適用は技術指令書発行から2週間後のイギリスGPまで見送られた。そのため、技術指令書で認められたフロアへの補強を、どのチームも採用しなかった。
ただ、メルセデスだけが、金曜日にフラットボトムの新バージョンで2本目のステーをテストしており(上の写真の赤い矢印)、メルセデスのみがこれを間に合わせることができたことについて、他チームからの疑惑を招き、怒りを買うことになった。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
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8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
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10位 | 角田裕毅 | 14 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |
第11戦 | オーストリアGP | 6/30 |