F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F1技術解説:第3戦(1)圧勝したフェラーリF1-75。対レッドブルの優位性はどこにあるのか

2022年4月18日

 2022年F1第3戦オーストラリアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。今回は圧勝したフェラーリF1-75の優位性について考察する。


────────────────────────────────

■異なるサーキット特性への順応性が高いフェラーリF1-75

 前戦サウジアラビアではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に敗れたシャルル・ルクレール(フェラーリ)だったが、第3戦オーストラリアGPではフェラーリの優位性を見事に証明した。予選では序盤3戦で最大のギャップとなる0.286差をつけたF1-75は、あらゆるコーナーで速く、優れたパワーとバランス、そしてタイヤの持ちの良さも備えていた。


 一方のレッドブルは前2戦同様に直線スピードは高かった。対するフェラーリはコーナリングスピードと、立ち上がり加速が優れている(パワフルなエンジンと短いシフト間隔のおかげであろう)。さらに今回はタイヤが絡んできたことで、フェラーリのもうひとつの長所が浮き彫りになった。


 レッドブルは初日フリー走行からリヤタイヤのグレイニング(ささくれ摩耗)に悩まされていた。しかしリヤウイングを相対的に立てているフェラーリには、それがなかった。フロントのダウンフォースを増加させたことで、フロントタイヤを温存することもできた。3戦を終えて判断する限り、F1-75の方がRB18よりも異なるサーキット特性への順応性が高いようだ。


 別の要因もありそうだ。イタリアの報道によると、F1-75には今回5bhp程度のパワーアップが施されたという。フェラーリはここまで、信頼性データ収集計画に沿って066/7ブロックを慎重に使いこなしてきた。信頼性確保に一定の目処がついたことで、レッドブルの直線での優位性に対抗するため、出力を上げたということだろう。

2022年F1第3戦オーストラリアGP フェラーリF1-75
2022年F1第3戦オーストラリアGP フェラーリF1-75

■ポーパシングは激しいがタイムロスはなし

 アルバートパークでのF1-75は、ストレートエンドとターン9へのアプローチでひどいポーパシングが見られた。しかし操縦性に大きな影響はなかったようだ。


「タイムロスはそれほどなかった」と、ルクレールは言う。「確かに直線ではあまり快適ではなかったけど、快適な車より速い車の方が好きだからね」


「もちろん、対処する必要はある。でもポーパシングがなければもっと速く走れたかというと、そうでもない。セーフティカー明けのリスタートのときだけは、激しいバウンドのせいで1コーナーでハードブレーキがかけられるかどうか、そこは気になった。でもそれ以外は、大丈夫だったよ」


 今のところフェラーリはかなり柔らかいサスペンションを採用することで、この現象に対処している。しかし次戦イモラか遅くともバルセロナまでには、地上高を下げた状態でもより高いパフォーマンスを生み出す新しいフラットボトムを投入することが期待されている。

フェラーリF1-75ディフューザー比較
フェラーリF1-75ディフューザー比較

 金曜日の朝には、新しいディフューザーがルクレールのマシンに装着された。上の画像に見られるように、中央部に小さなフェアリングが追加されたことで、気流のエネルギーをより均等に分散させることができるようになった。このパーツは、スペインGPで予定されている大規模アップデートのパッケージの一部と考えられている。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/21(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※中国GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP