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F1第2戦金曜会見:ガスリー、前戦での出火によりPUとギヤボックスを全交換「再発しない保証はないが、できることはやった」

2022年3月26日

 1週間前の第1戦バーレーンGPは、見どころ満載のレースだった。レッドブルの自滅に助けられたとはいえ、フェラーリの1-2フィニッシュは、今シーズンがさらに面白くなりそうな予感を抱かせてくれた。


──シャルル、素晴らしい勝利おめでとう。これでチームの士気が大いに上がったのでは?
シャルル・ルクレール:もちろんだね。チーム内に笑顔が増え、上位争いに加わる意欲が湧いてきた。僕はマラネロには戻っていないんだけど、マッティア(・ビノット/チーム代表)が、みんな1-2勝利ををすごく喜んで、今まで以上にやる気満々だと言っていたよ。この2年間はとてもとても難しかったけれど、今シーズンは可能な限りベストな形で準備できた。そしてコース上で見事に結果を出せた。今後は今まで以上にプッシュしていかなければならないけど、優勝争いに復帰できたことは本当によかったと思ってる。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP金曜会見 シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 一方、レッドブルの2台とアルファタウリのピエール・ガスリーは、レース終盤に相次いでリタイアを喫し、まさかのノーポイントに終わった。なぜあんなことが起きてしまったのか。


──マックスとピエールに質問です。両チームとも、非常に多くの周回数をプレシーズンテストでこなしていました。にもかかわらず起きてしまった信頼性の問題について、チームはどこまで理解しているんでしょう?
マックス・フェルスタッペン:テストではまったく遭遇しない問題だった。ある意味アンラッキーだったし、起こってはならないことだった。だって3台が立て続けにリタイアしたんだから。僕らはこれからタイトルを争うために、バーレーンの二の舞だけは絶対に避けないとね。


ピエール・ガスリー:あのチームで行ったプレシーズンテストでは、最も順調だった。なので信頼性の点ではかなり自信を持って開幕戦に臨めた。でも起きてはならないトラブルが出てしまった。結局、モータースポーツは常に謙虚でいるべきだということなんだろうね。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP金曜会見 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


──あなたのリタイアは、レッドブル2台とは違うものだった? バッテリーの火災とのことですが、今後への影響は?
ガスリー:確かにバッテリーに関連したものだったけど、(事故直後は)すべて安全だった。ただし基本的に、全部が燃えてしまったけどね。あのトラブルを受けて、いくつか修正を行った。絶対に再発しないという保証はないけど、少なくともできることはすべてやった。クルマから火が出ていることに、最初は気づかなかった。いい気分ではなかったよ。


 サウジアラビアGPでのFP1終了後、ガスリー車のパワーユニットとギヤボックスは、全交換されたことが正式に明らかにされた。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGPフリー走行1回目 ピエール・ガスリー(アルファタウリ)

■「ポーパシングへの対処によって失うものは決して小さくない」とハミルトン

 そして開幕戦では、メルセデスの苦戦が改めて確認された。ルイス・ハミルトンは3位表彰台こそ射止めたものの、フェラーリ、レッドブルに比べてメルセデスの戦闘力不足は否めない。彼らの直近の課題が、ポーパシング(激しい縦揺れ現象)への早急の対処だ。


──ポーパシングは、車高やタイヤ圧変更などで、ある程度補正できますよね。しかしその結果、どれほどパフォーマンスを低下させているのでしょう。
ハミルトン:正確な数字は教えてもらっていないけど、大きいことは確かだね。でもその種の妥協は、程度の差はあるけど誰にとっても同じだと思う。一方で僕らの前を走ってたマシンは、低速域のダウンフォースがすごかった。繰り返すけど、どこも多かれ少なかれポーパシングへの対処は必要だけど、それによって失うものはずいぶん違う。そして僕らの場合、それは決して小さくはない。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP金曜会見 ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 ハミルトン、そしてダニエル・リカルド(マクラーレン)に対しては、サウジアラビアでF1を開催することについて、政治的な質問も飛んだ。


──ある人権保護団体は、サウジアラビアでこの2週間で97人が処刑されたことを発表し、年末までにその数は500人に達するだろうと予測しています。それを踏まえて、ここでレースをすることに抵抗はないのでしょうか?
リカルド:もちろん状況は知っているし、情報も得ている。でもここに来ることで、何か変化を起こしたり、ポジティブな影響を与えたりするチャンスもあると思うんだ。ここに来ないのとは対照的にね。F1は多くのことをやっている。今週末の現地スタッフの40%は女性だし、600人の恵まれない子供たち、孤児が今日サーキットに招待されている。僕らがここにいることでいい変化を生み出し、いい影響を与えることができるよう努力しているところだよ。それが今のところ、僕らにできるすべてだと思ってる。


ハミルトン:僕の立場は、昨年ここで話ししたことと変わっていない。僕が何を言っても、何かが変わることはないということだ。確かに心が揺さぶられるいくつもの事例がある。死刑囚の14歳の子から手紙が届いたと聞いてもいる。14歳なんて、自分が何のために生きているのかわからない年齢だ。ダニエルが言うように、僕らは努力する機会を与えられている。ここにいる間に、自分たちにできることを少しずつでも実行していくことが大切だと思う。最終的には、本当に変化をもたらすのは権力者たちの責任だけどね。でも僕らはまだ十分に見ていないし、もっと見る必要がある。


 この会見を終えてまもなく、サーキットのすぐ近くにある石油備蓄施設が、ミサイル攻撃を受けて炎上した。サウジアラビアと交戦状態にある隣国イエメンの武装組織が、犯行声明を出したとのことだ。黒煙や炎が収まらないなか、F1は初日フリー走行を敢行した。このまま開催を続けるべきか、長時間の会議が行われ、公式には「満場一致で」開催続行が決まったという。

ダニエル・リカルド(マクラーレン)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP金曜会見 ダニエル・リカルド(マクラーレン)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




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8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

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※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
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