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「これでマックスの時代が来るんじゃないかな」最終周がすべてを物語ったタイトル争い/ホンダF1山本MDインタビュー

2021年12月15日

 2021年F1第22戦アブダビGPの決勝レースは、最終周に決着がついた。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がルイス・ハミルトン(メルセデス)を追い抜き、トップでチェッカーを受けて自身初のタイトルを獲得。ホンダにとっても、1991年のアイルトン・セナ以来の戴冠となった。


 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、アブダビGPを振り返り「レッドブルが戦略的に攻め切ったのが今日の勝利だと思います」と語った。そして若きチャンピオンの誕生についても、「次代のスーパースターの初めての戴冠をホンダがレッドブルと共に成し遂げたことに誇りを感じています」と喜んだ。


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──劇的な結末の余韻がまだパドックに残っていますが、まずはドライバーズチャンピオンシップ獲得おめでとうございます。いまの率直な感想をお願いします。


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):7年間、ホンダF1を応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。セーフティカーが導入されたときは、「このままセーフティカーランで終わったらどうしようか」と思って見ていました。最悪のパターンを免れ、残り1周でレースが再開されることになりました。1ラップであればマックスはトップで戻ってくると思っていたし、レッドブルが戦略的に攻め切ったのが今日の勝利だと思います。さすがレッドブルです。

ホンダ山本MDインタビュー
表彰式直後のホンダのホスピタリティハウス前で田辺豊治F1テクニカルディレクターと喜びを分かち合う山本雅史マネージングディレクター


──クリスチャン・ホーナー代表が「1ラップだけでいいから、レースをやらせてくれ」とレースディレクターのマイケル・マシに無線でお願いしていたのが効いたのかもしれませんね。


山本MD:クリスチャンもドキドキだったと思います。本当にすごいし、この1年、最後はレッドブル・ホンダとして最高の形でフィナーレを飾ることができたのがうれしい。マックス・フェルスタッペンという次代のスーパースターの初めての戴冠をホンダがレッドブルと共に成し遂げたことに誇りを感じています。今回のホンダのF1活動は、ライバル勢に対して遅れてスタートしたにもかかわらず、最終的にここまで追い上げることができた。HRD Sakuraのメンバー、HRD UKのメンバーに感謝したいし、いまいるメンバーだけでなく、苦しい時期にホンダのF1活動を支えてくれたすべての人たちに感謝しています。この結果はホンダの総合力で勝ち取ったものだと思います。

ホンダ山本MDインタビュー
アルファタウリでホンダのチーフエンジニアを務める本橋正充エンジニアと抱き合う山本雅史マネージングディレクター


──再スタートが切られる前に、周回遅れのマシンに対して、セーフティカーを抜いてもいいと指示が出たときは、ガレージ内はどんな雰囲気でしたか。


山本MD:めちゃくちゃ盛り上がっていました。もうみんなガッツポーズをしていましたよ。その雰囲気に私も呑まれそうになったくらいです。だって、再スタートしたら行くだろうと、みんな信じていましたから。あの駆け引きの時点で私は勝ったと思いました。ああいうシチュエーションになれば、タイヤの条件がまったく違っていたので、これは勝ったぞと。それはセーフティカーランで、再スタートのタイミングを図って、ハミルトンがスロー走行し始めたときに、マックスがハミルトンの真横に並んで、プレッシャーをかけていたことでもわかります。マックスの気迫が違いましたね。

ホンダ山本MDインタビュー
スタート前のグリッド上で。レッドブルのメカニックたちも気合いが入っていた


──フェルスタッペンの最後の気迫は見ているこちらにも十分伝わりました。一方で、フェルスタッペンは今週末、とても落ち着いていたように思います。


山本MD:ホンダのラストレースとなるこのアブダビGPに『ありがとうHONDA』ヘルメットを用意していたように、マックスはホンダにとても敬意を払っていました。金曜日にはセッションが始まる前に、「本当にこの3年間ありがとう」という言葉ももらいました。だから、私も「我々も最後までプッシュするから」と伝えました。

ホンダ山本MDインタビュー
左からマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、山本MD、マックスの父ヨス・フェルスタッペン


──ホーナー代表とは、グランプリ前にどんな会話をしたのですか。


山本MD:クリスチャンからは、「ここまでチーム一丸となってよくやったきた。だから、みんなで週末を楽しもう」と。私もそう思っているし、最後はみんなで楽しんで勝った負けただけではなく、笑顔で終われるようにしたいと思っていたので、本当によかったです。

ホンダ山本MDインタビュー
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表と山本雅史マネージングディレクター


──トップでチェッカーフラッグを受けた後、レッドブルの首脳陣とはどんな会話を?


山本MD:クリスチャンや(ヘルムート・)マルコ(モータースポーツアドバイザー)だけでなく、マックスのお父さんのヨスも喜んでいました。そして、「ホンダが素晴らしいパワーユニットを開発してくれたことを本当に感謝している」と言われました。本当にうれしく思っています。


──表彰台に上がったホーナーが珍しく泣いていましたね。山本さんは?


山本MD:私は昨日から泣いていたからもう涙がない。いろいろな方からお別れのメッセージをいただき、泣いていました。


──今日はうれし涙ですね。


山本MD:感無量で言葉が出ませんが、とにかくやってきてよかった。いろんなことがあったので……。継続してきたことがここに繋がっているし、うまく言い表せませんが、本当にうれしい。この場に立てたことも含めて、ホンダには本当に感謝です。

2021年F1第22戦アブダビGP 優勝しタイトルを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとクリスチャン・ホーナー代表
2021年F1第22戦アブダビGP 優勝しタイトルを獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとクリスチャン・ホーナー代表


──30年ぶり、アイルトン・セナ以来、ホンダドライバーのチャンピオン誕生です。


山本MD:これでマックスの時代が来るんじゃないかなと思うし、最後の1ラップがすべてを物語っていた。本当に1年継続してよかったです。


──強いホンダ、戻ってきましたね!


山本MD:本当に間に合ってよかった。本当によかったです。


──撤退までもう1年、継続する判断をした八郷隆弘社長(当時)になんとお礼を言いたいですか?


山本MD:いまは三部(敏宏)が社長ですけど、三部さんと八郷さんに今年1年、時間をもらいました。私たちに最後のチャンスをくれて、それをチーム全体で勝ち取った。絶対にチャンピオンになるんだと信じてやってきたし、そんな私たちを信頼してくれた会社に感謝したいと思います。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第22戦アブダビGP 初タイトルを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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