ホンダF1田辺TD初日会見:フェルスタッペンの身体とPUの無事に安堵。角田のクラッシュ以外は「ポジティブな結果」
2021年7月31日
2021年F1第11戦ハンガリーGPの初日フリー走行はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がメルセデス2台に次ぐ3番手、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が5、6番手と速さを発揮した一方で、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はFP1のクラッシュでギヤボックスを破損し、FP2は1周しかタイムを計測できず、17番手に終わった。
一方で第10戦イギリスGPの事故で大破したフェルスタッペン車のパワーユニットに関してホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは、「初日に走って問題ないことを改めて確認しました」とコメント。万一このパワーユニットが使えない場合は今後ペナルティを受ける恐れもあっただけに、「大丈夫とわかって安堵しています」と、表情を緩めていた。
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──ハンガリーらしい、非常に暑い初日でした。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):気温30度超えのコンディションとなりました。日差しも強く、午後には路面温度も60度を超えました。ただ明日からはセッション中に雷雨に見舞われたり、夜中にも(雨が)降るなど、天候が少し読みにくい状況です。どうなってもバタバタしないように、しっかりと準備をして臨もうと思っていますが、基本は暑い週末だという認識です。
──パワーユニット的にはノートラブルでしたか?
田辺TD:順調な1日でした。前戦で激しいクラッシュに見舞われたフェルスタッペンからは、事前に「身体は大丈夫」と言われていましたが、実際に2回のセッションを元気に走ってくれて安心しました。
パワーユニットもファクトリーに戻して詳細確認をして大丈夫という結果は出ていましたが、初日に走って問題ないことを改めて確認しました。もちろん、内部に細かい傷が入っている可能性は依然としてありますが、とりあえずは問題ありません。
──パワーユニットを年間3基でやりくりしないといけない現行レギュレーションでは、シーズン途中で2基目を失うことは非常に痛手です。
田辺TD:ペナルティを受けることも覚悟しないといけません。その点からも、今回大丈夫とわかり安堵しています。
──FP1では角田裕毅がスピンして、リヤからバリアにぶつかってしまいました。メカニックの頑張りでFP2で1周だけタイムを出すことができました。
田辺TD:残念な状況でしたが、パワーユニットは問題なく使えています。後ろからぶつかったので少し心配しましたが、良かったです。それ以外でも、酷暑のコンディション下で走るということで、まだやることはたくさんあります。
とはいえ、ほかの3台は全般的にポジティブな結果だったと思っています。前戦イギリスGPでは苦戦したガスリーも、それ以前のペースに戻せていますしね。まだ金曜日ではありますが、その部分も心強いです。
■予選では「どんなときでも走り出せる」ことが重要
──抜きにくいハンガロリンクなので、予選が重要になります。
田辺TD:はい。今日のFP2でも各車がロングランを始めるとかなりトラフィックに引っかかりました。そのあたりのコースに送り出すタイミングが重要ですし、ホンダとしてはどんなときでも走り出せる準備を完了しておくことが、予選で重要なことだと思っています。
──初日は通常だと抑え気味に走ると思うのですが、フェルスタッペンのパワーユニットはエンジンや過給圧など、全開で負荷をかけて確認するとのことでした。その意味で初日としては全開率は高かったのでしょうか。
田辺TD:いえ、いつもより負荷をかけたということはありません。通常のメニューのなかで確認できています。
──セッション中は、HRDさくらといつも以上に頻繁に情報交換をしたのでしょうか。
田辺TD:かなり強い衝撃を受けたということで、さくらとミルトンキーンズに各ユニットを送って詳細確認をしてもらったわけですが、それぞれのエンジニアにはフリー走行前に「データを注視して、何かあったらお願いします」と伝えていました。その後、基本的に問題ないという連絡を双方から受けています。
──「完全に分解して調べられないので、今後何かがボディブローのように効いてくる恐れはある」と、昨日はコメントしていました。初日は40周、約150km走行しましたが、実際にどれほど走行したら、そのあたりの不安は消えるのでしょうか。
田辺TD:正直言ってわかりません。中を開けることができずファイバースコープで覗いた程度ですから、あれだけの精密機械の中で何が起きたのか完全には把握できていません。とはいえ、基本的には大丈夫という認識です。
※注:会見後、ホンダ広報から「ボディブローの一例」として、「たとえばクラッシュの影響で構造に数ミリのずれが入っていて、走行を重ねるうちにそこに力が掛かっていき、壊れてしまうこと」との補足がきた。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |