F1開幕戦オーストラリアGPの決勝でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、レースを振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
僕にとって完璧なレースだった。スタートではグリッドのダーティな側だったから楽ではなかった。(セバスチャン・)ベッテルがすごくいいスタートを決めて、先行していった。
でも僕らは赤旗の後、ミディアムタイヤを履くという完璧な戦略を選んだ。ピットウォールの皆に心から感謝したい。それから最高のマシンを用意してくれたファクトリーの皆にも、レースを見るために早起きしてくれたヨーロッパの人たちにもありがとうと言いたい。皆にいいショーを見せることができたと思うよ!
今はこの瞬間を楽しんでいてもいいけれど、赤いマシンが今季どれだけ手強い存在になってくるかが分かったから、リラックスしている余裕はない。これからのレースが楽しみだし、さらにエキサイティングなバトルができることを期待している。
フェルナンド(・アロンソ)がクラッシュの後、歩いて戻って来ることができたのを見て、心からほっとした。今のF1マシンの安全性がどれだけ高いかが分かる。本当によかったよ。
(1コーナーでのルイス・ハミルトンとの接触について)ルイスが言っているのを聞いて(何が起きたのか)初めて知った。映像を見てみなければ。僕が彼を押し出したのだとしたら謝るよ。そういうつもりはなかった。自分自身のことで頭がいっぱいの状態だった。
(メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフが、決勝中、ロズベルグ車の右フロントのブレーキキャリパーがオーバーヒートし、左リヤタイヤが計算上は最後まで持たないことが分かったため、リタイアの可能性もあったと発言したことに関して)ブレーキが熱くなってきていた。クーリングダクトにラバーが入り込んでしまっていたからだ。とても深刻な状況で、走りながら対処するのが簡単ではなかった。でも最終的にうまくいったから満足している。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=2位
スタートのライトが消える前までは完璧な週末で、レースに向けて自信を持っていた。発進の際にホイールスピンが起きて、1コーナーでは押し出される形になった。そのため、それ以降は挽回に努めるレースになった。でも時にはそういうこともあるものだし、うまく順位を上げていくことができて喜んでいる。ああいうスタートだったことを考えれば、ダメージを最小限に抑えるという意味で2位というのは悪くない結果だ。
トロロッソの1台にずっと押さえられてしまった。彼の方が速いタイヤを履いていたため、どうしようもなかった。トップ集団がどんどん遠ざかっていくのを見ているしかなかったんだ。だからセーフティカーに助けられたのは間違いない。それによってギャップがなくなった。
それ以前からすでに1ストップで走り切る予定だった。他の人たちはなぜ僕らと同じようにミディアムタイヤを履かなかったんだろう。正直言って僕には分からない。でも彼らがそういう戦略を選ばなくてよかった。皆がそうしていたら僕はかなり後方でフィニッシュすることになっていただろうからね。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。そのおかげで僕らは上位に戻ることができたんだ。まだあと20戦あるから、落ち着いていられるよ。もっとひどいシーズン序盤を経験したこともあるから、今日のことは受け入れて、次のレースに期待する。
(ニコ・ロズベルグとの接触について聞かれ)いろいろあったけど、ダメージはなかった。たくさんポジションを落としたのは確かだけどね。ニコのアウト側にいたら、彼がワイドになったために僕は芝の上に押し出された。その後、順位を挽回しなければならなくなった。きつい仕事だったけど、楽しんだよ。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=3位
最高のスタートを決めたよね。前の2台よりいいスタートをしたのが分かって喜んだ。去年のハンガリーを思い出したよ。キミ(・ライコネン)もいいスタートをしたから嬉しかった。ワンツーを形成してペースを築いていった。
赤旗は確かに不利になったけれど、何より大事なのはフェルナンド(・アロンソ)とエステバン(・グティエレス)が無事だったことだ。レースを止めるというのは正しい判断だった。最初にあそこを通った時、路面にデブリが散らばっていたからね。
去年強力なシーズンを送ったから、ギャップをさらに縮めたいと思っているし、当然期待は大きい。昨日は少し離されていたけれど、今日は近づいた。
全体的にとてもいいレースだったよ。最後の最後まで全力でレースをした。芝の上に出るつもりはなかったんだけど、芝刈りをしちゃったね! 来週家に帰ってももうやる必要はないね。
今日はもう少しいい結果を出したかったな。
(赤旗後、メルセデスのふたりはミディアムコンパウンドを選び、自分はスーパーソフトからソフトに交換したことについて聞かれ)僕らにはチャンスがあった。(メルセデスが)ふたりともミディアムを履いて最後まで走り切るとは予想していなかった。
僕らはアグレッシブに行こうとした。でもうまくいかなかったね。今考えると、他のやり方もあったと思うけど、誰のことも責めるつもりはない。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=リタイア
レース序盤は好調だったけれど、その後、パワーを失ってリタイアしなければならなくなった。(マシンから出火したが)何が起きたのかはっきりとは分からない。エンジンに関連するトラブルではないと思う。動いていたからね。何か他のことに違いない。チームにとってとても不運な出来事だった。
冬のテストを終えた段階で、大体の予想では自分たちはかなり好調だと思っていた。土曜はコンディションも状況も普通と違っていたから、予選での上位とのタイム差は真のギャップではないと分かっていた。僕らのマシンはハンドリングがよく、速さがあり、感触もいい。だけど完走する必要があるのは間違いない。まだやるべき仕事があるということだ。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=4位
面白いレースだった。またレースができて嬉しかった。ここで戦っていることの喜びを何度も無線で表現した。いいマシンがあったから余計に喜びを感じることができた。
スタートで何台か抜くことができたし、オプションタイヤで燃料をたくさん積んだ状態でいいペースを発揮していた。他のマシンを追い抜くことができて楽しかったよ。いつもどおりオーバーテイクをエンジョイした。終盤、表彰台をつかめる位置を走っていたから、タイヤが持てばいいなと思ったけれど、それは無理で、もう一度ピットインしなければならないのは分かっていた。
それでも4位は素晴らしい結果だ。メルセデスとフェラーリからさほど離れていなかったことに満足している。
それから、フェルナンド(・アロンソ)とエステバン(・グティエレス)が無事なことを確認できてよかった。また録画を見ていないんだけど、マシンが逆さまになっているのを見て、これは小さな事故じゃないなと思った。
(Milton Keynes Citizenの取材に応え)終盤3位を走っていた時にはおとぎ話を思い描いたんだけどね。それでも4位に満足だ。ペースはとてもよかったし、ウイリアムズに大差をつけてフィニッシュできた。タイヤにとても優しいマシンで、一貫していいリズムで走れた。速いマシンを抜くこともできた。
パワーユニットに少し(向上を)見つけた。今後も5位以内でフィニッシュできるんじゃないかな。そしてカナダあたりで(パワーユニットが)アップデートされたら、それより上を目指したい。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=5位
いいレースだった。5位でフィニッシュし、たくさんポイントを稼げたので、シーズンの出だしとしてはよかったと思う。レース中盤の赤旗のおかげで1回ストップの戦略を継続することができた。それによって僕らとは違うタイヤで走ったトロロッソ2台の前に出ることができた。
この結果を喜んでいる。バルテリ(・ボッタス)もいい結果を出した。彼は16番手からスタートして8位で完走した。いい走りをしたね。
■ハースF1チーム
ロマン・グロージャン 決勝=6位
皆の作業がうまくいき、とてもいい一日だった。勝ったような気分だよ。この数週間、皆が懸命に働いてきた。信じられないような結果だ。昨日はついてなかったが、今日は赤旗が少し有利に働いた。ウイリアムズ(バルテリ・ボッタス)やフォース・インディア(ニコ・ヒュルケンベルグ)を押さえ切ることができたんだ。
マシンをセットアップするための時間はあまりなかったから、とりあえず走って様子を見るという感じだった。信じられないような気分だよ。皆素晴らしい仕事をしてくれた。僕らにとって勝利のようなものだと、皆に言ったんだ。デビュー戦で6位。なんて幸せな一日なんだろう。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=7位
開幕戦でいくつかポイントを取ることができ、シーズンをいい形でスタートできたと思う。楽な一日ではなかった。赤旗が出てリスタートするという展開がなければどうなっていたのか、予測はできない。
僕らは1回ストップを計画していて、赤旗が出たことで状況がかなり厳しくなったと思う。他のドライバーたちもリセットしてタイヤを換えるチャンスを得ることになったからだ。それで僕は上位に浮上できず、レースの大半でハースの後ろを走ることになった。ロマン(・グロージャン)に近づくのは簡単ではなく、後ろにもたくさん車が続いていたので、常にプレッシャーにさらされ、前を追うと同時に防御にも努めなければならなかった。そういう状況を考えれば、7位という結果には満足できる。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=8位
本当に難しい週末だった。予選で苦戦し、さらに(ギヤボックス交換による)グリッドペナルティを受けたことがレースに影響した。
望んでいたようなスムーズなレースができなかった。それでも2台揃ってポイントを獲得できたのはよかった。でも僕自身、そしてチームが目指すポジションはもっと上だ。バーレーンではもっとうまくやれるはずだから次を楽しみにしている。
■スクーデリア・トロロッソ
カルロス・サインツJr. 決勝=9位
今日の結果には大満足とはいえないね。このマシンならもっとポイントを取れたはずだと思うからだ。でもできるだけ上位でフィニッシュできるよう全力を尽くした。それでも9位というのは悔しい。
今日のレースは少し混乱があって、うまく対応していくのが難しかった。赤旗の後、状況が面白くなってきた。ここはオーバーテイクが簡単なサーキットではないけれど、何度か成功させることができた。本当に苦労したオーバーテイクもあったよ! 自分のレースをして、いいショーを見せたと思う。走っていて楽しかった。でも昨日は予選7位だったのに順位を落とした。僕らの実力ならもっと上位を狙えたはずだ。
(マックス・フェルスタッペンに接触されたことについて)彼が追突してきた。でも僕のレースには影響しなかった。何も文句を言うようなことはないよ。
■スクーデリア・トロロッソ
マックス・フェルスタッペン 決勝=10位
フラストレーションがたまるレースだった。
最高のスタートを決めて、メルセデスの前を走り続けた。1回目のピットストップもうまくいった。ペースがとてもよくて、後ろからのプレッシャーもなかった。でも赤旗の後、2回目のピットストップに関してコミュニケーションミスがあったために辛い状況になった(注:チームプリンシパルのフランツ・トストいわく「マックスは呼んでいないのにピットに戻ってきたため、作業の準備ができていなかった。そのため彼は7秒をロスし、12位にポジションを落とした」と説明)。
こんな素晴らしいマシンに10位はふさわしい結果じゃない。ものすごくいい結果を出せる絶好のチャンスを生かせず、すごくがっかりしている。でも次のレースに気持ちを集中させて、今日よりたくさんポイントを稼ぐために頑張る。
(無線でチームに対して不満をあらわにしていたことに関して)僕がどんなに腹を立ててたか分かるよね。本当に今日のレースにはがっかりした。(ロマン・)グロージャンのハースがデビュー戦で6位に入っているんだから、僕らはもっと上に行けたはずだ。
(チームメイトのカルロス・サインツJr.に接触したことについて)タイヤがぎりぎりの状態だった。それで接触した。