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【未来のF1ドライバー候補紹介(6)ドゥーハン】F1にふさわしいポテンシャルを証明も、懸念されるアルピーヌの管理能力

2023年1月17日

 各F1チームがシーズンに2回、F1昇格を狙うドライバーを金曜プラクティスで起用しなければならないという規則が2022年に導入された。その目的は、テストの機会が非常に限られる状況のなかで、若手ドライバーにF1マシンに乗るチャンスを与えることだ。


 当連載では、F1ジャーナリストのクリス・メッドランド氏が、FP1ドライバーとして選ばれたドライバーひとりひとりのここまでのパフォーマンスを評価し、将来性を探る。今回はアルピーヌで走ったジャック・ドゥーハンに焦点を当てた。


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 2022年シーズン前半の段階では、アルピーヌはFP1にオスカー・ピアストリを起用する予定だったが、夏に状況が変化し、同じオーストラリア出身のジャック・ドゥーハンがその役割を担うことになった。


 アルピーヌは、育成プログラムからF1リザーブドライバーに起用したピアストリに、F1デビューの準備を整えさせるために最大限のチャンスを与えるつもりだった。ピアストリは、フォーミュラ・ルノー2.0、F3、F2と連続してタイトルを獲得してきたにもかかわらず、2022年にはアルピーヌのレースシートに空きがなかったため、デビューを我慢しなければならなかった。


 しかしアルピーヌが2023年にピアストリをレースドレイバーに昇格しようと決めた時には、彼はすでにマクラーレン入りを決めてしまっていた。契約トラブルが発生し、アルピーヌはシーズン半ばで、FP1のルーキープランを変更せざるを得なくなり、そこで起用されたのがドゥーハンだった。


 ロードレース世界選手権500ccで1994年から1998年まで5年連続でチャンピオンを獲得した2輪のレジェンド、ミック・ドゥーハンの息子、ジャックは、2021年にFIA F3でランキング2位を獲得。この年の終盤、FIA F2への参戦もスタート、2022年にはフル参戦を果たした。


 2017年にはレッドブル・ジュニアチームのメンバーになったが、2021年に離脱し、2022年からアルピーヌ・アカデミーに加入した。


 19歳のドゥーハンは、F2でのフル参戦デビューシーズンで、すぐさま高いポテンシャルを示した。バルセロナのスプリントレースで2位に入り、シルバーストンのスプリントで初優勝を達成すると、常にトップランナーとして活躍するようになった。ハンガリーのスプリントで優勝、ベルギーでは、スプリントで2位を獲得した後、フィーチャーレースで勝利を挙げた。

2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第10戦ブダペスト レース1を制したジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)

 こうしたパフォーマンスを見て、アルピーヌ上層部はドゥーハンに非常に良い印象を持つようになっていった。チームがリザーブドライバーを失いつつあった時期に、ドゥーハンはとても良いタイミングで能力を発揮し、同時に、プレッシャーにうまく対応できることも証明していた。

アルピーヌCEOローラン・ロッシ、チーム代表オットマー・サフナウアー、アルピーヌ・アカデミー所属のジャック・ドゥーハン

 その後はフィーチャーレースで3戦連続リタイアを喫し(彼にいくらかでも責任があったのはそのうち1回だけだった)、最終的に2022年ドライバーズランキングでは6位という結果にとどまった。しかしチームの信頼を得ていたドゥーハンは、F1での2回のFP1出走の機会を与えられた。


 FP1デビューを果たしたのはメキシコGPだった。ドゥーハンがここを走るのはその時が初めてだったが、高い高度と路面グリップの低さが特徴の、非常にチャレンジングなこのサーキットを、ドゥーハンはミスなく走行。しかし、パワーユニットのデータに異常が表れたことにより、セッションが終了する前に走行を終えなければならなかった。


 数週間後の最終戦アブダビGPで、FP1出場の2度目のチャンスが訪れた。ここでも彼は堅実な仕事をし、25周を走って、貴重な経験を積むとともに、スーパーライセンスポイント1を稼いだ。


 ドゥーハンは2023年もF2で走り、タイトル獲得を目指すことになるだろう。それが可能な資質があることはすでに証明済みであり、引き続きアルピーヌからFP1出場のチャンスを提供されるはずだ。

ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)
2022年F1第22戦アブダビGPフリー走行1回目 ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)

 F1への道を進むためには、ドゥーハンは2022年シーズンの勢いを維持し、2023年にF2チャンピオンになる必要がある。F1ドライバーになれるだけのポテンシャルを持っている彼だが、懸念されるのは、ピアストリと似た問題に直面するかもしれないことだ。


 アルピーヌは2023年にはエステバン・オコンとピエール・ガスリーのペアを走らせる。ふたりとも若く才能あるドライバーで、ふたりのどちらかからレースシートを奪うのは簡単なことではないだろう。ドゥーハンはまだ今年20歳と若く、時間もある。だが、ピアストリのキャリアをうまくコントロールできなかったアルピーヌが、同じ間違いを犯すことなく、ドゥーハンをうまくF1シートへと導けるかどうかが心配されるところだ。



(Chris Medland)




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