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F1技術解説:日本GP(1)7連敗のフェラーリが否定する新型フロア失敗説
2022年10月19日
2022年F1第18戦日本GPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、フェラーリがレッドブルに全く太刀打ちできなかった理由を探る。
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3年ぶりに行われた日本GPの舞台、鈴鹿サーキットでも、フェラーリF1-75はレッドブルRB18に対してなすすべもなかった。これでレッドブルは、直近7戦を全て勝利した。なぜフェラーリは、ここまで大きく差をつけられてしまったのだろう。
■タイヤに苦しみ続けるフェラーリ
ハンガリーGP以降、フェラーリのパフォーマンス低下は明らかであり、その根源はタイヤの運用にある。F1最速を誇ったシーズン当初も、フロントタイヤにグレイニング現象(ささくれ摩耗)が発生しがちだった。イモラでのスプリントレースとマイアミGPでシャルル・ルクレールが負けたのも、これが原因だった。
一方でフェラーリはレッドブルよりも、リヤタイヤの温度をうまくコントロールできていた。しかし8月のブダペスト以降、F1-75はリヤタイヤをオーバーヒートさせ、フロントはグレイニングを発生させ続けるという状況に陥った。フェラーリのエンジニアたちは明らかに、フロントとリヤの両方に適したセッティングを見いだせなくなってしまったのだ。
そこで彼らは鈴鹿で新しいフロアをテストし(下の比較写真参照)、経時的なマシンバランスの改善を図った。しかし週末の不順な天候が、新しい足回りを最適にセットアップすることを許さなかった。時間に追われるときのフェラーリのエンジニアたちは、どうやらレッドブルのエンジニアよりも反応や効率が悪いようだ。鈴鹿以前も、天候でフリー走行が中断されるたびに、彼らはあたふたとしていた。
タイヤの使い方のまずさは、予選から明らかだった。実際ルクレールは、「マシンは好調だったが、良いラップを刻むためにすべてをまとめるのにタイヤで苦労した」と説明している。「セクター1でプッシュすればするほど、最終セクターで遅くなってしまったんだ」
■新フロア失敗説をフェラーリは否定「パフォーマンス向上を確認」
そしてフェラーリは、レースでも同じ問題に見舞われた。7周目にインターミディエイトに交換した直後、ルクレールは首位マックス・フェルスタッペンに追いつくことができ、2人はすべてのライバルより2秒速いペースで走行していた。しかし、フェラーリの勢いは長くは続かず、このペースで3周したところで、フロントタイヤはすでに大きなダメージを負っていた。
その結果フェルスタッペンはあっさりとギャップを広げていき、その後20周で26秒のリードを築いた。下の写真のように、フィニッシュ時の両車のフロントのインターミディエイトタイヤの摩耗状態から、F1-75がタイヤに厳しいマシンであることが一目瞭然だ。
タイヤのタレのひどさは金曜日と土曜日のセッションで明らかになったものの、レースまでに改善することはできず。さらにルクレールがフェルスタッペンについて行こうとタイヤに負担をかけすぎ、状況はいっそう悪化した。
「最初の数周でプッシュしすぎたために、タイヤを壊してしまったのだと思う。その結果、ペースが戻ることはなかった」と、マッティア・ビノット代表は言う。
「シャルルやエンジニアと一緒に分析する必要がある。ギャップを縮めようと攻めすぎてタイヤにダメージを与えてしまい、その後のペースをキープすることができなかったのだと思う。ラップタイムはそこそこだったが、タイヤマネジメントの面ではもっとうまくいくはずだった」
フェラーリのタイヤの摩耗が激しい原因については、ポーパシング対策への対応の誤りを指摘する声がある。ベルギーGPで導入された技術指令TD39は、フロアへのスキッドプレートの取り付け方法を変更させた。その結果F1-75はすっかりマシンバランスが狂ってしまったという説だが、フェラーリ自体は否定している。
フェラーリはその前のフランスGPでも新たなフロアを導入し、不振はそこから始まったという見方もある(日本で導入されたバージョンは微妙に進化しているが、大まかな特徴は同じだ)。しかし鈴鹿でパフォーマンスエンジニアのジョック・クリアは、これも否定した。
「要するにF1のパフォーマンスは、あくまで相対的だということだ。確かに新しいフロアを導入したフランスGPから、我々は逆戻りしてしまったような感じを受けた。しかし、フリー走行で旧バージョンと比較テストをしたところ、新バージョンの方が良いということが確認できた。特に高速コーナーで、大きなダウンフォースが発生する。今季残りのレースはそういうコース特性が多いから、期待できると思っているよ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |