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山本MD会見:ホンダF1最終シーズンに向け、攻めの開発でパワー向上「みなさんの記憶に残るような1年にしたい」

2021年3月13日

 バーレーンテスト初日の囲み取材に元気な姿を見せたホンダF1の山本雅史マネージングディレクター。実はバーレーン・インターナショナル・サーキットではなく、イギリスのホンダファクトリーからの出席だった。レッドブルはホンダ参戦終了後の2022年以降もホンダ製パワーユニット(PU)を継続使用するが、その内容の詰めをホンダ本社で行っていて、出国が遅れたとのことだった。最後の1年、ホンダはどんな戦いを繰り広げてくれるのだろう。


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──冬の間、どのような準備をしてテストに臨みましたか?


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):最後のシーズンということで、いったん開発を先送りにしていた新骨格のパワーユニット(PU)を昨年途中から復活させ、その準備に明け暮れていました。目的は言うまでもなく、メルセデスに追いつき、うまくいけば追い越すことです。そのために性能と信頼性を両立させたものを目指しました。


 昨年はメルセデスがホンダの予測以上の伸びを見せた。今季ももちろん、そうならないとは言えない。しかし昨年の反省に立って、HRD Sakuraが中心になってある程度の出力向上を果たしている。信頼性は実走テストも十分にできていないのでまだこれからですが、早い段階で確立させたいと思っています。


──ホンダ最後のシーズンの抱負をお願いします。


山本MD:第2期には今も語り草となっている16戦15勝を果たしましたよね。あそこまで行かないにしても、「最後のシーズンのホンダは凄かったよね」と言われるような、みなさんの記憶に残るような、そんな1年にしたいと思っています。レッドブルはセルジオ・ペレスの加入で、ドライバーの底上げが進んだ。タイトルを狙いやすい体制になったと思います。アルファタウリはテスト初日からガスリーが好調に走っている。7年ぶりの日本人ドライバーとなる角田くんがどんな走りを見せてくれるのかも、非常に楽しみです。

2021年F1プレシーズンテスト1日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──2022年以降、レッドブルとはどんな関わりを?


山本MD:今回私は日本を出るのが遅れて、まだイギリスにいるんですね。その理由がまさに来年以降のレッドブルとの協力体制をどうするかを話し合っていたからでした。ご承知のようにレッドブルはイギリスのファクトリー内にレッドブル・パワートレインズという会社を設立し、そこでホンダの知的財産を使用して、現在のホンダ製PUを継続使用する。その方向性は決まっていて、あとは詳細を詰める。その段階です。ホンダのロゴは残念ながら今年いっぱいです。


──新骨格のパワーユニットということですが、具体的には去年までとどう違う?


山本MD:MGU-Kについては大きく変えていない。MGU-HとICE、特にICEの燃焼室の部分を効率化してパワーアップしているのが新骨格。MGU-HもICEのバランスなので、ICEのパワーを変えたことによりMGU-Hからもパワーを引き出すようなものになっている。新しいパワーユニットと考えてもらっていいです。

■「開発をやり切ったPUをレッドブルに渡す。そのベースになるのが、今季を戦う新骨格PU」

──今季のPUは、来年レッドブルに渡すPUを前倒し開発したものという理解でよろしいですか。


山本MD:結果的にはそうなっていますが、元々は2022年にこの新骨格を投入しようと考えていたんですね。ただ今季限りで撤退するということになって、昨年仕様で戦ってもメルセデスには追いつけない。それで急きょ前倒しして、最終年にきっちりやり切りたい。その思いが先でした。結果的に現行パワーユニットは、来年の3月1日に凍結となる。それで今年中に研究所で開発をやり切ったものを、レッドブルに渡す。そのベースになるのが、今季を戦う新骨格のパワーユニットですね。


──ミルトンキーンズのホンダファクトリーは、レッドブルに貸し出したりするのですか?


山本MD:それはないです。年内のレースを終えた時点で閉鎖します。


──そこで働いてる日本人スタッフは、レッドブルには移らない?


山本MD:現時点ではありません。現地雇用スタッフは、多くがレッドブルに移籍します。


──リヤウイングに大きくHONDAのロゴがついています。


山本MD:はい。実は去年の夏頃から、両チームの代表とその話をしていて、当初は後ろ側だけということでした。しかし最終的に両面につけてもらえることになった。ヘルムート・マルコ博士から「前にも貼るよ」と言ってくれて。


──その分、余計にお金を払っているのですか?


山本MD:払っていません。そこは信頼関係で、彼らもホンダ最後の年だからと言ってくれました。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

■角田裕毅にとって「非常に重要な3日間」になるプレシーズンテスト

──角田選手はこれまで何回かテストをしていますが、初めてのF1への順応ぶりは?


山本MD:これまでの新人ではできなかったほど、多くの機会を与えてもらった。彼もそれによく応えて、トスト代表がいうには「走るたびに学んでいるし、技術的なフィードバックも非常にいい」と。それを踏まえて今日からのテストはライバルたちと一緒に走るという意味で、非常に重要な3日間になると思っています。


──角田選手にはどんな期待をしていますか。


山本MD:日本の若い子供たちに夢を与えるような、そんな存在になって欲しいですね。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──ホンダ最後となる今季は、今までになく準備がしっかりできているという手応えですか。


山本MD:これは浅木(泰昭/ホンダF1のPU開発総責任者)も同じ思いだと思いますが、開発をいったん止めたために、ちょっと(開発の)タイムラグがある。それが彼らにとっては非常に痛手で、開幕前の今回のテストできっちり準備ができれば、そこでようやく順調な滑り出しと言えると思います。


 ただメルセデスをはじめ、ライバルたちも速くなっている。去年の反省はやはり、開幕3戦で大きなポイントが獲れなかったことですね。その意味で序盤をきっちり乗り越えることができれば、初めて準備万端だったと言えると思います。


──それぐらい攻めの開発をしたとも言える?


山本MD:そうですね。パワーをしっかり上げて、信頼性も補いながらやってる。今までのスペックでは、まず信頼性ありきで、そこからパワーを上げていった。今回はICEの燃焼室でいいものを見つけたようで、パワーも上がっているようです。あとは開幕までにどこまで信頼性を確立できるかですね。

2021年F1プレシーズンテスト1日目 マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル・ホンダ)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

2021年F1プレシーズンテスト1日目 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト1日目 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

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(取材・まとめ 柴田久仁夫)




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