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【F1バーレーンGP決勝の要点】3強に割って入ったアストンマーティンの速さは本物。驚異的なロングランペースを発揮
2023年3月6日
2014年からV6ターボハイブリッドが導入されて以来、F1はレッドブル、フェラーリ、メルセデスの3強と、それ以下の中団グループがはっきり分かれる時代が長く続いてきた。しかし10年目の今季、そんな力関係はついに崩れた。まだ開幕戦を終えたばかりだが、3強に割って入って表彰台を獲得したアストンマーティンの強さは本物だと言えるだろう。
AMR23は開幕前から速さを見せてきたが、特に群を抜いていたのがロングランペースだった。デグラデーション(タイヤの性能劣化)が特に大きいバーレーン・インターナショナル・サーキットで周回を重ねても、ラップタイムが落ちていくどころか、燃料減少に比例して逆に速くなっていった。ひとことで言えば、タイヤの持ちがとんでもなくいい。ライバルチームの開発陣は、かなりの脅威を感じていたはずだ。
レース本番ではフェルナンド・アロンソだけでなく、ランス・ストロールも速さを見せた。自転車事故で右手首と足指を骨折しており、体調的には決して万全ではなかった。そもそもストロールは、決してタイヤマネージメントのうまいドライバーではない。実際アロンソに比べればペースは劣り、ラップタイムも安定していない。それでも32周目にピットアウト直後のジョージ・ラッセル(メルセデス)をパスし、6位入賞を果たした。
そしてアロンソはルイス・ハミルトン(メルセデス)、カルロス・サインツ(フェラーリ)を次々に抜き去り、移籍後初戦で3位表彰台を獲得した。そのロングランペースは驚異的というほかなく、アロンソを明らかに凌いでいたのは首位を巡行し続けたフェルスタッペンだけだった。
一方で同じレッドブルを駆るペレスに対しては、ほぼ互角だった。レース後半はほぼクリーンエアで走っていたペレスに対し、アロンソは上述したようにバトルを繰り広げながらの周回だった。
当然、タイヤには大きな負荷がかかる。さらに抜く際に走行ラインを外せば、タイヤかすを拾うことは避けられない。それでもアロンソのペースは衰えなかった。アロンソの巧さは言うまでもない。しかしマシンの素性もよくなければ、これだけの走りはできない。
AMR23の最大の特徴は、強大なダウンフォースにある。そのおかげでタイヤに大きな負荷をかけることなく、安定した速さを維持できた。一方で直線での速さはフェラーリやメルセデスに劣る。それでもタイヤの持ちのよさとアロンソの巧さで、ハミルトンとサインツをかわすことができた。ただしシャルル・ルクレール(フェラーリ)がリタイアしていなければ、彼に届くことは無理だっただろう。
今回の3位、6位という結果が、タイヤに厳しく、オーバーテイクの容易なバーレーン・インターナショナル・サーキットで達成されたものであることは忘れるべきではない。超高速市街地サーキットの次戦サウジアラビアでは、ここまでの活躍は期待できないかもしれない。とはいえ中団チームの一員だったアストンマーティンが、ついに3強の一角に堂々と割り込んできたことは間違いない。
(取材・文 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |