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【F1第5戦無線レビュー(1)】「どうしてまだ後ろなんだよ!」2台に先行され、ハミルトンの怒りは収まらず
2021年5月30日
2年ぶりの開催となったモナコGP。伝統の1戦でポールポジションを獲得したのはモナコ出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)だったが、トラブルによりレースを走ることは叶わなかった。一方先頭からスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が快走し、7番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)は序盤から厳しい展開に。レース序盤の様子を無線とともに振り返る。
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モナコGP決勝レースは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の悲劇から始まった。グリッドに向かうレコノサンスラップの最中に、ルクレールは無線でこう叫び、両手で顔を覆った。
ルクレール:ノー、ノー、ノー、ギアボックスだ
予選でのクラッシュで、やはりマシンはダメージを受けていたのだった。ルクレールはそのままピットに向かい、エンジニアがマシン後部をチェックする。左ドライブシャフトのダメージが確認され、ルクレールの0周リタイアが決まった。
これで2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、実質ポールスタートとなった。レッドブルのスポーティングディレクターを務めるジョナサン・ウィートリーが、FIAのレーシングディレクター、マイケル・マシにこう質問した。
ウィートリー:ルクレールがグリッドからスタートしない。順番を詰めるのか
マシ:いや、そのままだ、ジョナサン
マシはその後、フェラーリに確認の無線を送った。
マシ:フィニート(おしまい)か
フェラーリ:そうだ
マシ:残念だ
いっさいの私情を挟まずにレース運営に徹するマシの口から、思わず“I’m sorry to hear that.”という言葉が漏れた。
グリッド上ではスタート直前の最後の確認作業が、慌ただしく続いていた。
ガスリー:フロントタイヤが黄線の内側かどうか確認してくれ。グリッド降格にならないように
アムラン:ほんの少し前だね
前戦スペインGPでグリッドラインを越えた状態で停止してしまい、5秒ペナルティを受けたことがいまだにトラウマになっているようだ。
フェルスタッペンはスタートで首位をキープし、最速タイムを更新し続けていく。7番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)には、すでに序盤から諦めムードが漂っていた。
ピーター・ボニントン:フェルスタッペンは16秒9だ
ハミルトン:ついていくのは厳しいね
今季絶好調のランド・ノリス(マクラーレン)はモナコでも予選5番手、そしてレースは4番手を快走した。しかし担当エンジニアのウィリアム・ジョゼフから、序盤20周目前後に早くもこんな注意が飛んだ。
ジョゼフ:ランド、ターン10でもう2ストライクだ。もう1回で黒白旗だ
モナコのトラックリミットは、トンネルを抜けた先にあるヌーベルシケインのターン10。そこでノリスはすでに2回はみ出していると、ジョゼフが注意を促したのだ。それにしてもふたりともイギリス人でベースボールにあまり縁がないはずなのに、「2ストライク」という野球用語でやりとりしているのにはビックリだった。
一方でマクラーレン移籍1年目のダニエル・リカルドは、大得意なはずのモナコでも依然として元気がない。11番手からスタートしたが、直後にランス・ストロール(アストンマーティン)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)にかわされ、13番手に後退した。
トム・スタラード:ポイント圏内に入るにはライコネンを攻めるしかない
リカルド:了解した。しかしタイヤがきつい
スタラード:このペースで行ってくれ
ライコネンとの差を2秒まで縮めていたリカルドだったが、20周目以降ペースが落ち、逆にギャップは広がっていった。
28周目、ハミルトンの担当エンジニア、ボニントン(通称ボノ)がこんなメッセージを送った
ボニントン:いいぞ、ルイス。もう少しだ。ギャップも縮まっている。今、1秒3だ
ハミルトン:わかった
ガスリーを追撃するハミルトンはこの時点で、その差を1秒3まで縮めていた。ボノの言う「もう少し(It won’t be long.)」は、「ピットインまでもう少し」という意味と思われる。レース後、トト・ウォルフ代表は「スタートタイヤが苦しかったので、あそこでピットインするしかなかった」と敗因を述べていた。
しかしこの無線を聞く限り、メルセデスは最初からアンダーカット作戦で、ガスリーの前に行けると踏んでいたようだ。そして29周目、真っ先にピットに向かい、ハードタイヤに履き替えた。だがハードの温まりが悪く、ペースが伸びない。次周にピットインしたガスリーは、コンマ4秒差でハミルトンの前でコース復帰した。
ハミルトン:どうしてまだ(ガスリーの)後ろなんだよ!
思わず叫ぶハミルトン。しかしまだ続きがあった。2周後に入ったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が、ハミルトンとガスリーを追い越して7番手から5番手に上がったのだ。
ハミルトン:いったいどういうことなんだ。ふたりの後ろになってしまった
ハミルトンは落胆と怒りが収まらず、その後も無線で不満を言い続けた。
ハミルトン:なんて言ったらいいかわからないよ。タイヤはもっといけるって伝えていたよね。もっとピットを遅らせるべきだったんだ
────────────────────
(2)に続く
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 454 |
2位 | シャルル・ルクレール | 308 |
3位 | セルジオ・ペレス | 305 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 275 |
5位 | カルロス・サインツ | 246 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 240 |
7位 | ランド・ノリス | 122 |
8位 | エステバン・オコン | 92 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 81 |
10位 | バルテリ・ボッタス | 49 |

1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 759 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 554 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム | 515 |
4位 | BWTアルピーヌF1チーム | 173 |
5位 | マクラーレンF1チーム | 159 |
6位 | アルファロメオF1チーム・オーレン | 55 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チーム | 55 |
8位 | ハースF1チーム | 37 |
9位 | スクーデリア・アルファタウリ | 35 |
10位 | ウイリアムズ・レーシング | 8 |

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