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「2021年F1マシンはほとんど遅くなっていない」とピレリは分析。奪われたダウンフォースの半分がすでに回復
2021年3月18日
F1タイヤサプライヤーのピレリは、プレシーズンテストの分析を基に、2021年のルール変更にもかかわらず、今年のマシンには昨年と同等のタイムを出す力がありそうだと述べている。
今シーズン、チームは基本的には2020年型シャシーを持ち越すことがFIAにより義務づけられた。一方で、ダウンフォースレベルを削減することを目的とした技術レギュレーションにより、フロアやバージボード、リヤブレーキダクトに関する変更を行うこととなった。
今年のフロアはリヤに向かって先細りになる形で削られ、昨年はフロア上に見えていた、ダウンフォースを増すために使われていた縦および横方向のさまざまなスロットが排除された。
こうした空力上の変更によりダウンフォースレベルは10パーセント削減され、ピレリのより堅牢なタイヤによりさらにスピードが抑制されると予想されていた。
しかしピレリが3日間のバーレーンテスト後に行った包括的な分析によると、チームは今年のルール変更で失ったダウンフォース量を徐々に回復する可能性が高いという。
ピレリのF1およびカーレーシング責任者であるマリオ・イゾラは、「昨年と比較して違いは非常に小さいものだ」と説明した。
「昨年とのラップタイムの比較を計算してみた。コースはおそらく完璧なコンディションではなく、ダウンフォースは減らされている。だが、燃料量による補正を行ったラップタイムを見ると、昨年と比較して、ラップタイム差、パフォーマンス低下による違いといったものは見られないようだ」
マックス・フェルスタッペンが日曜日に出した1分28秒960のタイムは、2020年のバーレーンGP予選では11番手に当たる。しかしながらどのチームもテストでは保守的なエンジンモードを使用し、最大限にプッシュすることはないことから、これよりも大幅に速いタイムが出る余地があるものと考えられる。
徹底的な分析を行ったイゾラは、チームが失ったダウンフォースの半分をすでに取り戻そうとしていると考えるようになった。これは事前に予想されていたことであるとイゾラは言う。
「10パーセントの範囲でダウンフォースを削減するという当初の計画に対し、チームは改良に取り組んできた。おそらく現状のダウンフォース削減量は、4から5パーセントの範囲になっていると考えている」とイゾラは語った。
「開幕前だというのに彼らがこれだけのダウンフォース量を回復したわけだが、そのことに驚いてはいない。彼らにそうするだけの能力があることは明らかだからだ」
今シーズン終盤には空力荷重が増すことが予想されるが、ピレリはより堅牢なタイヤを導入したため、これに耐えることができると、イゾラは考えている。
「昨年FIA、F1、各チームとともに下した決定にも満足している。ふたつの方向性に向けて並行して取り組むという決定で、ひとつはマシンのダウンフォースを減らすこと、もうひとつは、おそらくシーズン後半に増すであろう負荷に耐えるコンストラクションを見いだすことだった」とイゾラは付け加えた。
「新型コロナウイルスによる困難な状況があったにもかかわらず、我々は正しい判断を行い、並行して作業を行った。その結果、より堅牢な製品と、おそらく昨年と同じくらい速いマシンを作り出した」
(autosport web)
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