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【F1前半戦レビュー:マクラーレンの“プラス”と“マイナス”】技術者がリードする体制の強さ。自信不足のノリス

2024年8月14日

 F1前半戦が終了した段階で、ベテランジャーナリストのピーター・ナイガード氏が、全10チームそれぞれの良かった点と悪かった点を挙げる形で、ここまでの14戦の戦いを振り返った。今回は、ドライバーズ&コンストラクターズ選手権で2位に位置するマクラーレンの前半戦レビューだ。


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■プラス:成功の鍵は素晴らしいチーム体制

 過去18カ月、マクラーレンはサクセスストーリーを紡いできた。2023年シーズン序盤、彼らがどれほどひどい状態だったかを、思い出してほしい。そこから今シーズン半ばまでの短い期間を経て、いまやマクラーレンはトップグループのなかで、最も安定したパフォーマンスを発揮するマシンを作り出した。


 2024年シーズン前半戦が好調だったのは、複数の要因による。MCL38のデザインが明らかに優れていること、メルセデスのエンジンが強力かつ信頼性が高いこと、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリという、若く、ハングリーで、才能にあふれたラインアップを擁していることが、その要因として挙げられる。

2024年F1第13戦ハンガリーGP 表彰式のオスカー・ピアストリとランド・ノリス(マクラーレン)
2024年F1第13戦ハンガリーGP 表彰式のオスカー・ピアストリとランド・ノリス(マクラーレン)


 しかしマクラーレンの“パッケージ”において最も重要な部分は、チームの組織である。マクラーレン・レーシング(F1の他にインディカーとフォーミュラEにも参戦)のCEOであるザク・ブラウンは、F1チームの指揮をアンドレア・ステラ代表に任せている。

2024年F1第6戦マイアミGP 優勝のランド・ノリスとチーム代表のアンドレア・ステラ(マクラーレン)、2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)


 ステラは、技術的なバックグラウンドを持つ新世代のF1チームボスの代表的存在だ(他の例としては、ハースの小松礼雄、アストンマーティンのマイク・クラック、RBのローラン・メキースが挙げられる)。マネジメント能力を持つ“技術者”にチーム代表の役割を任せるというのは、まさに素晴らしいソリューションだ。マクラーレンの場合、それが現在の成功の鍵になっているといえるだろう。

■マイナス:自分に厳しすぎるノリス

 現在のマクラーレンチームに弱点を見つけるのは難しい。確かに、ドライバーたちは若く、経験が浅いが、それは大きな問題にはなっていない。ランド・ノリスは何度かミスを犯しているものの、全体的に見れば素晴らしい仕事をしている。


 ノリスに対する最も厳しい批評家は彼自身だ。彼は時に自分に対して厳しすぎるように見えることがある。もちろん、ミスからは学ぶべきだが、自分を過小評価しすぎるのはよくない。ノリスは自信が足りないのかもしれない。それもあと数回勝てば変わるだろうが。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2024年F1第12戦イギリスGP 決勝直後、肩を落とすランド・ノリス(マクラーレン)


 ピアストリもたまにおかしなミスをすることがある。しかしF1での2年目のドライバーとしては、それは当然のことだ。


 ドライバー同士の関係は今のところ良好だ。しかし今後数カ月でチームメイト同士が頻繁に勝利を争うようになれば、状況が変わり得る。ハンガリーGPでチームオーダー問題が注目を集めたが、将来的には厳格なチームオーダーが必要になるかもしれない。

オスカー・ピアストリ&ランド・ノリス(マクラーレン)
2024年F1第13戦ハンガリーGP オスカー・ピアストリ&ランド・ノリス(マクラーレン)

■データ(2024年シーズン第14戦終了時)

コンストラクターズ選手権の順位:2位
チームメイト勝敗(予選):ノリス対ピアストリ 11:3
チームメイト勝敗(スプリント予選):ノリス対ピアストリ 2:1
チームメイト勝敗(ポイント):ノリス対ピアストリ 199:167
2025年の予定ラインアップ:ランド・ノリス、オスカーピアストリ



(Peter Nygaard)




レース

9/20(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
9/21(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
9/22(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※シンガポールGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン331
2位ランド・ノリス279
3位シャルル・ルクレール245
4位オスカー・ピアストリ237
5位カルロス・サインツ190
6位ルイス・ハミルトン174
7位ジョージ・ラッセル155
8位セルジオ・ペレス144
9位フェルナンド・アロンソ62
10位ニコ・ヒュルケンベルグ24

チームランキング

※シンガポールGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム516
2位オラクル・レッドブル・レーシング475
3位スクーデリア・フェラーリ441
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム329
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム34
7位マネーグラム・ハースF1チーム31
8位ウイリアムズ・レーシング16
9位BWTアルピーヌF1チーム13
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第18戦シンガポールGP 9/22
第19戦アメリカGP 10/20
第20戦メキシコシティGP 10/27
第21戦サンパウロGP 11/3
第22戦ラスベガスGP 11/23
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