金曜日のフリー走行後にハートレーもギヤボックス交換に合わせるかのようにパワーユニットを交換してペナルティホンダ消化し、8基目となった。
アメリカGPで交換したばかりのガスリーのパワーユニットはその後、組み立て品質上の懸念がHRD Sakuraで浮上したため、安全を期して次のメキシコGPで再び交換し、8基目を投入。
これに最終的に2人が2018年に使用したパワーユニットはこうなった。
ドライバー:ICE/ターボ/MGU-H/MGU-K/ES/CE
ハートレー:8/8/8/7/3/4
ガスリー:8/8/8/6/3/3
ただし、ガスリーの7基目のパワーユニットの組み立て品質上の懸念はその後の調査で問題がなかったことが判明。スペック3のトラブルによる交換はアメリカGPのガスリーの7基目とアブダビGPの8基目の2回だけと考えていい。一年を通して振り返ると、ガスリーが5回(オーストラリアGP、カナダGP、アメリカGP、アブダビGP×2)とやや多かったものの、ハートレーはフランスGPの1回だけだった。
さらに2017年のホンダのPU使用状況は以下の通りで、このことを考えても、ホンダの信頼性は大きく向上したといっていい。
ドライバー:ICE/ターボ/MGU-H/MGU-K/ES/CE
アロンソ:9/11/11/8/7/6
バンドーン:10/12/12/9/7/7
もちろん、チャンピオンのメルセデス(ルイス・ハミルトン)と、タイトル争いを演じたフェラーリ(セバスチャン・ベッテル)は6コンポーネントすべてがレギュレーションの範囲内(3-3-3-2-2-2)で賄っており、ホンダの信頼性にはまだまだ課題は残っていることは事実。ただし、部品点数が多いエンジンの開発というのは多くの時間が費やされ、一朝一夕にすべてを改善することは不可能で、必ず段階を経るという過程が必要だ。
そう考えると、浅木執行役員が語った「ほぼ計画通りにやれたので、70点から80点」という評価は、2019年に向けて、点数の絶対値以上に価値のある結果を残したと言っていいだろう。
(Masahiro Owari)