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【レースの焦点】タイヤの“解読”に成功したメルセデスが盤石の1-2。フェラーリは悔やみきれないタイヤトラブル/F1第10戦イギリスGP

2017年7月18日

 34周目、セルジオ・ペレスをかわしたのはブルックランドのアウトから。同じ周回のストウではエステバン・オコンを捕え、次の周回のコプスではケビン・マグヌッセンを抜き去った。

「次は誰?」とドライバーがたずねる。「ヒュルケンベルグが33秒1で走っている。彼は11秒前方だ」とエンジニアが答える。

 そこからは毎ラップ、6番手ヒュルケンベルグとのラップタイム差、2台の間隔が伝えられた。「残り2周のところでヒュルケンベルグをキャッチできる」とエンジニアが言ったのは42周目あたり。その言葉どおり、リカルドは50周目にヒュルケンベルグの前に出た。彼らが想像していなかったのは、それが6位ではなく5位という成績につながったことだ。

「楽しいという意味では、10点満点のレースだった。この6レースは、“ミツアナグマは日曜日に本性を発揮する”って言ってもらっていいと思う」

 今回ばかりは厳しいと思われた状況でも、冷静に果敢にレースを組み立てたリカルドの技は見事──アップデートはシルバーストンよりむしろハンガロリンクのほうが大きいというから、さらに期待が膨らむ。

 ハンガリーGPは、精神的な意味でも夏休みのリフレッシュ効果を左右する大切な“決戦”。ヨーロッパにも本格的な夏が訪れ、シーズンはさらに熱くなる。

(Text:Masako Imamiya)





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