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新車分析/ウイリアムズFW38:空力や冷却、細部に劇的な進化

2016年2月20日

 技術ウォッチャーの世良耕太氏が、2月19日に公開されたウイリアムズの新車画像をチェック。2015年型との比較から、ニューマシンの狙いを探る。

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 ウイリアムズFW38のオフィシャル画像が公開されたが「これ、本当に新車?」と感じたのが偽ざる第一印象である。だが、注意深く見ると、進化(変化?)を確認することができる。

 2014年のレギュレーション変更によってビームウイングが廃止された。ビームウイングはそれ自体でダウンフォースを発生するというより、ディフューザーの効果を高めるアイテムとして機能していた。

 ウイリアムズFW38のオフィシャル画像を注意深く見ると、リヤウイングを支えるピラーの根元に、ビームウイング状のデバイスが形成されているのが確認できる(写真1枚目)。ビームウイングそれ自体は規則によって禁止されているので、カウルなどボディワークの一部としての解釈なのだろう。いずれにしても、ディフューザーの働きをサポートし、効果を高める役割を担っているのは間違いない。

 写真2枚目の「FW37」と見比べると、変化がよくわかる。

 フロア前端コーナー部、ちょうどサイドポンツーン前端の下にあたる位置は、ディフューザー部と並んでダウンフォースを効果的に発生させやすいエリアだ。このエリアはフロアの内側から外に向けて、空気をスムーズに流したい。

 FW38のフロア前端サイド部のエッジを見ると、凝った処理を施しているのが確認できる(写真3枚目)。このエリアを通過する空気のスピードを速め、ダウンフォース増大を狙っているのだろう。

 FW37(写真4枚目)のサイドポンツーン前端開口部は「V」を横にした断面をしていたが、FW38は「U」を横にした断面に変わっている。Rexonaのロゴを対比させて見ると、サイドポンツーンの形状が変わっている(偏平になり、全体にコンパクトになっている)ことに気づく。熱交換機の形状やレイアウトも変更しているはずだ。

 FW38はFW37に似ている(変化が少ない)ように見えて、実は劇的に進化しているようだ。

(世良耕太/Text : Kota Sera)


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