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決勝日ドライバーウォッチング:一寸先は闇…表彰台争いから脱落したグロージャン

2013年7月29日

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7月28日(日)
ロマン・グロージャン

 「天国と地獄」、「一寸先は闇」。今週末のグロージャンほど、そんな格言がふさわしいドライバーはいなかったかもしれない。

 土曜日までは、チームメイトのキミ・ライコネンを終始圧倒。予選は、上位二人と僅差の3番グリッドを獲得した。ポールシッターのハミルトンはレースでは失速するだろうから、実質的に2番手のベッテルとグロジャンの一騎打ちになる。誰もがそう思っていた。

 ところが実際には、ハミルトンが独走。グロージャンは明らかにベッテルよりペースが速かったが、このコースでは抜けない。そんなこんなの28周目。マッサを抜いた際に「コースをショートカットして、アドバンテージを得た」として、ドライブスルーのペナルティを課され、優勝戦線どころか、表彰台争いからも脱落してしまった。

 「僕は十分に、前後の2輪を白線上に残してたつもりだったんだけどね……」。

 前日の予選トップ3会見とはうって変わって、くら〜い表情。ぶら下がり取材しているわれわれを、振り切ろうとするかのように歩く速度を上げて行く。

「全然納得いかなくて、思わず『何で!?』と叫んでしまったよ。でも決まったものはしょうがない。もうそこからは気分を切り替えて、この状況で自分の出切る最高の走りをしようと思うようにしたんだ。でも前に立ちふさがるアロンソは、とうとう抜くことができなかった」

「ベッテルが抜けなくて、早めにピットインすることにしたんだ。そしたら目の前に、遅いマッサがいて。でも決して、無理な追い抜きじゃなかった」

 前戦ドイツGPに続き、クルマ自体に勝つポテンシャルはあった。
「でもすべての要素がかみ合わないと、結果は出ないということだよね」

 隣を歩いていたフランス人記者が「久しぶりにラ・マルセイエーズ(フランス国歌)が聴けるかと思いましたが」と、残酷なことを訊く。さすがにムッとした顔のグロージャンは、「残念でした」と言い残すと、さっさとガレージに入って行ったのだった。




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