新しいシーズンの幕開けとなるオーストラリアGPを直前に控えたネルシーニョ・ピケが、まだレースドライバーになった実感が湧かないと語った。
昨年1年間、ルノーのテストドライバーを務めながら技術に磨きをかけた後、今年からレースドライバーに昇格したピケは、アルバートパークでのドライブ経験がない。ピケは、精神的にも肉体的にもチャレンジングなF1デビュー戦になるだろうと考えているかもしれないが、冷静沈着に開幕戦にアプローチしているといってよさそうだ。
「ここ数週間はテストで忙しかった」と振り返るピケ。
「準備万端でメルボルンに臨めるように、自分自身の仕事と準備に集中してきた。でも、僕はまだ自分がレースドライバーという感じがしない。今までのところ、テストしかやっていないし、それだと去年ルノーでサードドライバーを務めていた時と同じだからね。トラックに着いてエンジニアと作業を始めれば、自分がこれからどんな役目を担っているのか、実感できると思う」
「僕にとっては新しいサーキットだが、すぐに馴染めるといいね。準備のためにあらゆることを行ったが、完璧な準備をするためにはサーキットを走るしかない。その時初めて、トラックのレイアウトや、縁石や一番いいラインの取り方などが本当に分かるようになる」
「マシンのセットアップを行うためには、エンジニアとともに仕事をきちんと行い、そうしてマシンから最大限の力を引き出さなくてはならない。僕には競争力がとてもあると思っているし、初戦でポイントを挙げたいけれど、それにはちょっと時間がかかると思う。なによりも、今度のデビュー戦には心を落ち着けて臨み、1歩ずつ前に進んでいきたい」
22歳のルーキー、ピケにとっては確かに、冬季テストは実り多かった。かなりの長距離を走り込み、フルタイムのF1ドライバーの厳しさ並びにルノーの新車R28に慣れていった。チームは、R28が評判倒れの成績に終わった昨年の悪夢を払拭してくれるだろうと期待している。だが、ピケは、F1新人にとって序盤3戦の遠征戦はそう簡単にいかないことを知っている。
「この冬はたくさん走りこんだ。この走りこみは、僕が肉体的、技術的な準備を進める上で欠かせないものだった。テスト中、自分がかなり前進したと感じており、落ち着いた気分でR28をドライブできる」
「パフォーマンスを向上させるために、やることはまだたくさんあるが、チーム全体にやる気があり、いい雰囲気が流れている。チームの前進のために、一人一人が全力を尽くしている。もちろん僕も全力を尽くしているよ」