ルイス・ハミルトンは、今年の世界タイトルを目指すうえで、フェルナンド・アロンソがライバルとなってくれることを期待している。その理由として彼は、アロンソに勝ちたいという気持ちが以前に増して強くなっているからだと語っている。
とはいえ、昨シーズン1年間にわたるマクラーレンにおけるアロンソとの確執を再燃させようと思っているわけではなく、ハミルトンは今シーズン、すべてのドライバーに対して勝負したいと語っている。それでこそタイトルを獲得した際の価値が上がるからである。
その一方、ハミルトンは今季、特定のドライバーを脅威としてみなしているわけではないと語っている。だがその言葉は、彼自身の気持ちと相反しているようだ。実際は、F1 2年目のドライバーであるハミルトンは、ドライバー全員をライバル視することを望んでいる。彼は、昨年の経験を元に、選手権獲得を目指してあらゆるドライバーと戦えるという自負を持っているのである。
「昨年の経験があるから、今の僕は去年よりもかなり強くなっていると感じている」ハミルトンはそう英デイリー・スター紙に対して語った。
「1年経って僕はドライバーとしてかなり成長したと感じているんだ。今年の僕は、昨年の僕よりもかなり強くなっていると自負しているよ」
「さらに、チームとの関係もこれまでより良くなっているという実感がある。どういった状況においても、あるグループと一緒に経験を得ると、糸が張ったように互いの関係に緊張感が高まるものだ。それでも最終的には、互いの関係は成熟していくんだ。彼らは僕のことをずっと前から知っているから、僕がチームのために何でもするということを彼らは分かっている。政治的な問題も減るだろうから、今シーズンはもっと楽しめるんじゃないかな」
アロンソはルノーへの復帰を果たしたが、それによりアロンソは今年のタイトル争いから脱落したとの見方が強い。実際にルノーのマシン、R28は今のところ、トップを行くフェラーリやマクラーレンに比べてかなりパフォーマンス面で劣っていることは疑いのないところだ。
アロンソ自身も、シーズン半ばまでにはレースに勝てるようになって、タイトル争いをかき回したいと語るものの、チャンピオンになれる確率は20〜30パーセントに留まるだろうと分析している。
だがハミルトンは、2度のチャンピオンに輝くアロンソと再びバトルを繰り返したいと考えている。もっともそれはトラック上での話ではあるが。
「去年のことで、彼が勝ちたい気持ちをさらに強くしてくれればと思っているんだ。実際僕は、彼を負かしたい気持ちが大きくなっているしね」とハミルトン。
「(勝ちたいと思っているのは)彼に対してだけじゃなくて、すべてのドライバーに対してだ。だって昨シーズンの終わりに僕はタイトル争いでキミ(・ライコネン)に敗れてしまったわけだからね。だからこそ今年は何としても彼に勝ちたい。もちろん現時点での彼の強さがどれほどのものなのか、十分承知しているつもりだ」
「キミは、昨年彼がシーズンを終えた時と同じレベルから(今シーズンを)スタートすることになるだろう。彼を脅威とは思っていない。僕は他のドライバーをそういう風には見ないんだ。彼は今年のターゲットだよ。だって彼は世界チャンピオンなんだからね」